ペットフードの恐ろしい裏事情
愛犬と暮らしている人のなかには、ペットフードにまつわる問題に強い関心を抱いている人も多いかと思います。
中国産ジャーキーや製造工場の不衛生問題など、さまざまな裏事情やそれによるペットへの健康被害が明らかになり、ペットフードの質への関心も年々高まってきています。そんな昨今ですが、「レンダリング産物」についてどのくらいご存知でしょうか。ここでは、嘘だと思いたいほど恐い「レンダリング産物」とペットフードについて解説いたします。

「レンダリング」という言葉を知っていますか?

レンダリングという言葉は聞いたことありますか。
これは、牛や豚、ニワトリなどの家畜を解体した際に出てくる残存物を加熱処理し、油脂分(動物性油脂)に加工することを指します。この時に副産物として肉骨粉が生まれます。これらの動物性脂肪や肉骨粉は、レンダリング産物とも呼ばれています。
ペットフードの大半はこうした肉骨粉や動物性脂肪が使われています。

腐敗していく資源を適切に処理することは重要ですので、日本や海外において、畜産業や食肉加工業はレンダリング産業に支えられているともいわれています。
レンダリングが有名になったのは、一般的に狂牛病と呼ばれるBSEが大問題となったときです。これ以降、BSEの危険性が高い部位は適切に除去され、安全性が確保されるようになっています。

このように見ると、レンダリングというものは問題のないもののように感じられます。しかし、レンダリング産業には思わぬ闇の部分もあるといわれているのです。
たとえば、アメリカの事例ですと、死亡した犬や猫をレンダリングした産物をペットフードに使っていたことが分かり、大問題となりました。ほかにも、路上で死んだ動物や、障害や持病のある動物、薬の実験に使われた動物、食肉加工施設で汚染が認められて不良となった動物の肉なども含まれていることが発覚したのです。

こうした問題は、実は日本でも発覚しています。
徳島市、鳴門市、佐那河内村にて、路上などで死んだ犬や猫の死がいの処理を肉骨粉加工業者に委託していたということが発覚し、問題となったのです。肉骨粉はペットフードに使われて、販売されます。つまり、日本でも犬や猫の死がいがペットフードに入ってしまっていた可能性があるのです。

激安ドッグフードにはもちろんそれなりの理由があります

あまりにも価格が安いドッグフードに、肉骨粉や動物性油脂、肉類、ミートミール・チキンミールといった表記がされている場合、それはレンダリング産物である可能性がとても高いといえます。
こうしたレンダリング産物は、人間の口に入るものとは違い、非常に多くの動物たちが原料として集められ、機械によってごちゃまぜにミンチにされたものです。その中には、家畜の解体で出た残存物だけではなく、実験動物の死がいや病気や障害のある動物、路上で死んでしまった動物たち、中には安楽死となった動物も含まれています。

アメリカでは肉の基準がランク付けされており、その中で最悪な質のものを4Dミートと呼びます。
人間の口に入ることは絶対にないもので、死がい(Dead)、病気(Diseased)、死にかけ(Dying)、障害のある(Disabled)といったものをさします。こうしたものが、スーパーで売れ残って回収されたような質の劣化した肉や、レストランから出る油や生ごみといったものと混ぜられ、人間用にはならない原料となるのです。

激安ドッグフードの安さの秘密は、こうした原料を使用していることにあります。信じられないことですが、これが現実なのです。

レンダリングされたペットフードを食べ続け、苦しむペットたち

それでは、レンダリング産物が含まれたドッグフードは、どのような危険をはらんでいるのでしょうか。
ペットが口にするうえで心配となるのが、牛が牛の死がいを食べたことによって起こったといわれるBSEのときのような問題のほか、抗生物質の使われた家畜や安楽死させられた動物の体に残っている薬物の影響です。

動物の安楽死が行われる際、バルビツール酸神経系薬剤を使用することが多いと言われています。バルビツールは神経系に作用し、大量投与することで重症心不全・呼吸停止を起こします。これを投与された動物がレンタリングされるのは問題です。なぜなら、バルビツールは熱処理で分解されないからです。

バルビツールはレンタリング産物にも当然、残留します。悪影響のほどは未知数ですが、心臓や循環器系の健康を阻害することが考えられます。
だからこそ、安楽死となった動物が原料となったドッグフードは危険なのです。

粗悪で危険なドッグフードは、当たり前のように出回っています

日本においてレンダリング産物が使用されているドッグフードは普通に売られています。
原材料の中に、ミートミールやチキンミールといったミール系、肉副産物、肉骨粉といった表記がある場合は、レンダリング産物かもしれないと考えた方がいいでしょう。
ユニチャームやロイヤルカナン、ビタワンといったメーカーの商品には、動物性油脂、ミール・エキス・パウダーといった表記の原材料が使われています。こうしたものはレンダリング産物の可能性が高いので、あまりオススメできません。

本当にワンちゃんを愛しているのなら、ドッグフードで健康が害されるのも嫌ですよね。
安いことはありがたいことかもしれませんが、健康上のリスクを抱えてまで与え続けることはありません。ぜひとも避けるようにしてください。