特別療法食という言葉を聞いたことはありますか。ペットと共に過ごしている人の中には全くかかわらない人もいるかもしれませんが、腎臓病や尿路結石などの持病のあるワンちゃんや猫ちゃんとかかわっている人は、かなり身近なものかもしれませんよね。
動物と共に過ごしている以上、関わることもあるかもしれない特別療法食ですが、その特徴やデメリットについてどのくらいご存知でしょうか。ここでは、意外と知られていない特別療法食についてご紹介していきます。
目次
特別療法食(療法食・処方食)ってどんなもの?病気を治すための食事なの・・?
特別療法食とは、特定の病気の治療の補助や進行を遅らせることが目的で摂取する食事のことです。特定の病気にかかってしまったペットのために、通常のペットフードと比べて栄養バランスを特別に調整しています。
人間でも心臓病や糖尿病、腎臓病といった持病をかかえる人が治療や病気の進行を遅らせるために食事制限をしていることがありますよね。あれと同じようなものだと理解していただければいいでしょう。
つまり、療法食そのものが医薬品というわけではなく、あくまでも補助的なものとして存在していますので、食べていれば病気が治るというわけではありません。
また、病状や治療法によって有効な療法食も変わってきますので、ワンちゃんに与える際は医師の指示に従うことが基本です。
栄養素がかたよる分、他の病気を発症する可能性がある
特別療法食は、病気のワンちゃんなどに向けて栄養バランスを整えているので、健康なワンちゃんが食べると栄養バランスがかたよる心配が指摘されています。栄養バランスのかたよりは、新しい問題を引き起こしてしまう可能性もあり、無視できません。
たとえば、体重制限のための療法食には、食物繊維を中心に作られています。食物繊維は体にいいイメージもありますが、たくさん摂取しすぎると下痢を引き起こしてしまいます。もちろん、下痢は健康を阻害しますので、よくありません。
また、食欲不振や体重減少、腸の消化機能に考慮して作られたドッグフードは、高栄養であったり、少ない量からたくさん吸収されるように作られているので、太りやすくなるという心配もあります。
このように、特別療法食には栄養バランスを調整するがゆえのデメリットも生じるのです。
このことをよく理解したうえで与えなくてはなりません。
特別療法食はペットフードメーカーの策略・・?フードの種類を差別化させることが目的では?
特別療法食は値段が高いという特徴もあります。
栄養素を調整しているだけのはずなのですが、通常のドッグフードよりも1.5~2倍ほど高い価格設定となっていることが多いのです。このことについて、専門的フードだから当然だろうと思ってしまい、飼い主は買い続けてしまいがちですが、本当にそうなのでしょうか。
この問題については、ペットフードメーカーが差別化に困ったために行っている策略なのではないかという指摘をしている人もいるほどです。
獣医師からの説明をきちんと受けて納得したうえで買っている人はいいのですが、そうでなくただ流されるままに買ってしまっている場合は、思わぬトラブルや誤解が生じている可能性もあります。
また、特別療法食の効果や安全性については確かなことは分かっていません。ロイヤルカナンやヒルズといった特別療法食の大手のペットフードの原料には穀物や発がん性が指摘されているBHAが使用されていることもあり、そちらの心配もあります。
それならば、良質なフードを使い、そのうえでサプリメントや食材を付け足した方がいいかもしれませんよね。手間はかかりますが、高いお金を払った上に健康上の不安を与えられてしまうよりはずっといいのではないでしょうか。
まとめ
ワンちゃんの病気によっては特別療法食は確かに必要なこともあるでしょう。
しかし、あまりしっかりと考えずに頼り切るのはあまりよくありません。ペットフードのお店や獣医師に勧められるままに購入して使用するのではなく、どういった商品であり、どういった効果が期待できるのかを納得するまで説明してもらうことが必要です。
気になるなら、そのペットフードのメーカーに質問してみるのもいいでしょう。
また何よりも、原材料はしっかりとチェックしておくことが大事ですね。