未熟児で生まれてきた犬の赤ちゃん

愛犬が出産するとなったら、飼い主は色々初めての事だらけで不安もあるかもしれません。元気な子犬が産まれて欲しいけど、中には早産や未熟児で生まれてくる子犬もいます。
そして未熟児で生まれてきた場合は、病気にかかりやすく、育て方やミルクの与え方にも注意が必要です。

犬が早産や未熟児で生まれてくる確率

まず犬の出産は、交配から2ヵ月前後で出産するのが一般的です。犬が早産するケースはほとんどなく、大半のケースは予定日通りに出産します。
しかしながら人間の出産と同じように、犬の場合も高齢出産になるほど、出産リスクが高まる傾向があるので高齢出産の場合は、早産のリスクも高まります。

犬の高齢出産の目安は6~7歳を過ぎている場合は、出産時のトラブルに備えておく事をお勧めします。

未熟児わんこのかかりやすい病気

未熟児犬は、免疫力が低いため、感染症にかかりやすいと言えます。またかかりやすい病気に関しては、犬種によって多少異なりますが白内障や膀胱結石、皮膚腫瘍、気管虚脱などにかかりやすいため飼い主は病気のサインを見逃さないようにして下さい。

病気のサインとしては、食欲や排泄物に異変が起きたり、散歩に行きたがらなくなったら要注意です。それ以外にも普段と様子が違う時には、なるべく早く動物病院で診察してもらう事をお勧めします。

未熟児わんこの育て方・ミルクの与え方

未熟児の子犬は、ただ体重が少ないだけではありません。まだ内臓器官などが未熟な状態で生まれてしまっています。母犬の方も早産だと、母犬としての身体の準備が整っていない状態で母乳が出にくい可能性があります。

ですが未熟児だからこそ、出来るだけ栄養豊富で免疫機能のアップが期待できる母乳で育てたいと言えます。そのためまずは、母犬の母乳が出る状態にするために、獣医師に母乳が出やすくなるようにホルモン剤を注射してもらいましょう。

子犬が自力で母犬の母乳を吸う元気があれば、そのまま見守って下さい。ただ自力で吸う元気がない場合は、子犬の口に乳頭を咥えさせて、飼い主が手で絞って母乳を与えて下さい。

母乳が足りない場合は、犬用の哺乳瓶を用意して、人工哺乳を行って下さい。あと、とにかく子犬は体温が下がらないように、保温を心がけましょう。
早産で生まれてきた子犬は、未成熟で出産トラブルが多発しがちです。もし判断に迷った場合は、夜中でも獣医師と連絡が取れるようにしておく事が重要です。そして獣医師がカテーテル保育を勧めてきた場合は、カテテールで胃に直接ミルクを流し込んで飲ませる方法を選択して下さい。

ペット業界で未熟児犬は高額で売りさばかれている?

もし、愛犬が早産し未熟児犬が生まれてしまったら、飼い主は心配で堪らないですよね。なぜかというと未成熟な状態で生まれてしまったため、身体が弱く生後間もなく亡くなってしまう可能性も高いためです。
可愛い我が子が死んでしまったら、母犬も心に大きなダメージを受けるでしょう。

そのため飼い主は、子犬が元気で生まれて欲しいとみんな思っているはずです。しかし利益重視のブリーダーのところに未熟児犬が生まれた場合、ブリーダーは心配なんてしません。むしろ未熟児犬が生まれた事をラッキーだと思うでしょう。

なぜかというと、未成熟犬である事がペット業界では高額取引につながるからです。何で身体が弱く、育てるのも大変な未成熟犬が高額取引されるの?そんなふうに疑問を持つ人も多いでしょう。
その理由は、未成熟犬はとても小さなサイズで生まれてくるためです。

犬種の中でも人気のトイプードルやティーカッププードルを見れば傾向が分かると思いますが、小さいモノは可愛いと判断されがちです。そのため小さいサイズの犬を飼いたいと思っている人は多いと言えます。

でも、未成熟犬は育てるのが大変なのに大丈夫?未成熟犬をサイズが小さいからという理由で飼ってちゃんと育てられるのでしょうか?
実は非常にタチが悪い悪質なブリーダーになると、サイズが小さくて見た目が可愛い事を売りにして、未熟児犬で身体が弱い事を飼い主にしっかり説明していない可能性があります。
そのため未熟児犬を高額で購入し、育てているといきなり愛犬が突然死し飼い主が戸惑うなどのトラブルも起きています。

ちゃんと未熟児犬だと理解した上で、日常生活の中で健康に気を付けて育てていれば、もしかするともっと生きれたかもしれません。
しかしお金儲けの事しか考えていない悪質ブリーダーにとって重要な事は、未熟児犬でサイズが小さいと高額取引されるという事実だけです。購入後にその犬がすぐに死んでしまったとしても、悪質ブリーダーには返金の義務はない訳です。

まとめ

愛犬が母子ともに元気で出産して欲しい、それが飼い主共通の願いだと言えます。しかし初産や高齢出産の場合は、出産トラブルが起こりやすく、早産で未熟児犬が生まれてしまう可能性があります。未熟児犬が生まれた場合は、とにかく身体を温める事と母乳を与える事を心がけて下さい。

身体が弱いので、異変を感じたらすぐに獣医師に相談して下さい。成長してからも病気にかかりやすいので、病気のサインを見逃さないように日頃からしっかりと愛犬の様子を見守るようにしましょう。