「コーギー」という犬種を知っていますか?
手足が短く、体つきはふっくら、大きな耳、茶色と白の毛色……
と、こういった特徴を聞けばきっとピンと来る人も多いですよね。
飼い犬として近頃ますます人気のコーギーについてたっぷりご紹介します。

コーギーってどんな犬?どうして足が短いの?

コーギーの原産国はイギリスです。
古くから羊や牛を追う牧畜犬としてヒトと共に暮らしてきました。
群れを追ってまとめるだけでなく、家畜を守るのも牧畜犬の大切な仕事。
そのためコーギーは状況を判断する能力に優れています。
訓練能力も高く、好奇心も旺盛ですから、教えたことはすぐにも覚えてしまいます。
とても頭がいい犬なんです。

ところで、犬が家畜を追うやり方にはいくつか種類があります。
迷子になってしまった家畜を群れに戻してあげたり、先回りして誘導するやり方は
細長い脚をした犬の得意技。
コーギーは少し違っていて、家畜の足に噛みつくことで進行方向に誘導します。

さらに、コーギーは家畜の中でも「牛追い」に使われることが多いのですが、もし自分の体より何倍も大きな牛に蹴られたりしたら、危ないですよね。
ケガの危険を避けつつ、牛のお腹の下に素早く潜り込んで噛みつくために、現在のように体高が低くなった=足が短くなったという説があります。
最大の特徴である短い足には、こんな理由があったんですね。

コーギーには2種類います

そんなコーギー、実は「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の二種類が存在しています。
コーギーの祖先はイギリスのウェールズ地方で誕生したと言われています。

その後、牧畜犬として改良され、主にカーディガン地方で活躍したのが「カーディガン」種。
「ペンブローク」の出自については諸説あり、実ははっきりしたことはわかっていません。
賢くて人に接することが好きな性格や、牧畜犬としての用途など、とても良く似た種類ではありますが各国の犬種を認定するイギリスの団体「ケンネクラブ」によって1943年に正式に別の種類として分けられました。

見た目に関して言うと、「カーディガン」の方がより体が大きく、カラーも豊富といった違いがあります。
ちなみに、日本で一般にコーギーとして飼われているのは「ペンブローク」の方です。
あのイギリスの女王エリザベス2世も「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」を飼っているんですよ。

コーギーってどんな性格?飼いやすいの?

その特有のルックスの愛らしさから、コーギーは2000年頃から日本でも人気の犬種になりました。
現在も飼いたい犬のランキング上位に必ず入るほどです。
でも、「かわいい!」とコーギーをお迎えする前に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。
お話したように牧畜犬として長い歴史を持つ「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」。

とても頭が良いだけに、人間のことをよく見ていて、信頼できる相手かどうか見極めようとします
もし、毅然とした態度を示せなければ人間との主従関係が逆転してしまいます。
その上コーギー・ペンブロークには「興奮しやすい」という性質もあります。
きちんとしつけられていないコーギーが、飼い主の言うことを全然聞かず興奮して散歩の途中に出会った子に噛みついてしまう……そんなケースも報告されています。

コーギーを飼う上で注意してほしいことは他にも。
食用旺盛なコーギーはとても太りやすいということです。
胴長の体型のために、太ってしまうと腰を傷めたり、骨や関節のトラブルが起こってしまいます。
「でも、あんなに足が短くて運動は苦手じゃないの?」と思うかもしれませんが、反対なのです。

ずんぐりとした見た目とは裏腹に、牛を追っていた昔の頃の名残で、コーギーはかなりの運動家。
たくさん走らせてあげ、たくさん運動をさせてあげる必要があります。
とはいえ「運動をさせる」といっても、急激に体をひねるような遊び方はNG!

これもやはり腰を痛めることにつながる危険性があるからです。
最悪の場合、腰を痛める→歩きたがらなくなる→太る→ますます腰を痛める
という負のスパイラルが生じる可能性さえあります。

コーギーを正しく飼うには愛情と知識と体力が必要

このようにコーギー・ペンブロークの飼い方には色々気を付けるべき点があります。
引っ張る力や顎の噛む力もとても強いため、「誰にでも飼いやすい」犬とは言えないかもしれません。
だからこそ、正しい知識をもってしっかりと飼ってあげてください。
そうすれば、賢いコーギーはきっと貴方の唯一無二のパートナードッグになってくれるでしょう。