子供のころ、どうしても学校に行きたくなくて仮病を使ってしまった……
そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
実は、人間だけでなく犬も仮病を使ったり、怪我をした演技をすることがあります。
犬の仮病の理由や正しい対策方法をご紹介します。

犬も仮病や演技をすることがあるの?

さっきまで元気だった愛犬なのに、ふと気がつくと床に伏せっている。
名前を呼んでも反応しない。もしかして風邪?具合が悪いのかな?と思います。
でも体を触っても熱はないようだし、鼻水もよだれも出ていない。
ふと思いついて「散歩に行こうね」と声をかけたら途端に飛び起きるではありませんか。

また、ある日、急に犬が足を引きずって歩き始めた。
怪我したのかと慌てて足を見ても、傷一つ見当たりません。
それでも念のために動物病院へ連れて行ったものの、異常なしとのこと。
だけど心なしか元気もないようだし・・・。
ところが!大好物のオヤツをあげてみようと袋を手にした瞬間、愛犬がジャンプをした!

これは一体どういうこと?と考えてしまいますよね。
こんな場合には、仮病や演技の可能性が考えられます。そう、犬も仮病を使うのです。
では、なぜ、なんのために犬は仮病を使うのでしょうか?
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なぜ仮病をし始めるのか?犬の気持ちが知りたい!

犬が仮病や演技をし始める時というのは、大体決まっています。
あなたの愛犬は、少し前に本当に具合を悪くしたり、怪我をしたのではありませんか?
もちろんその時、あなたは犬につきっきりになり、看病したことでしょう。
そう、犬は病気や怪我の時に飼い主さんが優しくしてくれたことをよく覚えているのです。
だから、飼い主さんが忙しくてちっとも構ってくれなかったり、自分を見てくれない時に関心を惹こうとして仮病を使ったり、怪我のフリをしたりするのです。

理解してほしいのは、犬自身は「仮病をつかってやろう」「演技してやろう」とは思っていないということ。
「前、床に伏せっていたら優しくしてもらえたからそうしよう」「この間、足をひきずっていたらたくさん相手をしてくれたからそうしよう」というつもりなのです。
つまり、犬たちの仮病や演技はあくまでも飼い主さんの愛情を求めてのことなのです。
犬の仮病は、さびしさのサインだったのですね。

愛犬の仮病見極め方

とはいえ、「仮病でしょ」と放っておいたら本当に病気だった、というのでは困ります。
仮病の見極め方はあるのでしょうか?
ひとつには、上でお話しした通り、「散歩」や「おやつ」などで誘惑してみることです。その時にすぐ反応が返ってきたり、耳がピクピク動いたりすれば、仮病の可能性が高いでしょう。

犬の視界から消えてみるのも良い方法です。
飼い主さんの姿が見えなくなった途端、足をひきずっていた犬が普通に歩きだすようなことがあります。
この場合もやはり、演技の可能性が高いと考えられますね。

愛犬が仮病をした時の対処法は?

飼育書などを読んでいると、犬が仮病をした時には無視することを薦めています。
本当に病気であったり怪我をしているのではなければ、無視も適当だと言えるかもしれません。

しかし、犬たちは飼い主さんの関心を引くために、「無言の抗議」として仮病を使うことを思い出してください。
仮病をした時に無視をすることは、一時的な対処ではあっても根本的な解決ではないのです。

もしかして、最近スキンシップを怠っていなかったか?
仕事の忙しさについかまけて、愛犬をほったらかしにしてしまっていなかったか?
仮病はよくないことではありますが、仮病という手段に訴えざるを得ないような状態に犬を置いていなかったか。

まずはそのことを考え、犬が仮病をする原因を突き止めましょう。
犬の一日は人間の三日に相当すると言います。
「ちょっと放っておいただけ」というつもりでも、犬は想像以上に寂しさを覚えます。
反対に、少し遊んであげたり、散歩に行くだけでも、犬は大満足するのです。
きちんと愛犬に向き合ってあげれば、仮病も自然としなくなるようになりますよ。