一時期日本でも話題になった狂牛病とはどんな病気でしょうか。実は愛犬に食べさせるドッグフードとも関係しています。狂牛病は家畜の飼料を介して感染を広げます。もしかしたら愛犬は狂牛病の感染の恐れのあるものを食べているかもしれません。
ドッグフードにも含まれる危険性がある
基本的にドッグフードは人間が食べられない食べ物を使って作られています。人間の食べ物には適さない粗悪な肉などが原材料です。その粗悪な肉にはもしかしたら狂牛病に感染した牛などの肉が含まれているかもしれません。
狂牛病に感染した肉が原材料になっているドッグフードを食べさせれば愛犬たちも感染してしまう可能性があります。
もちろん私たち人間は牛の脳や脊髄、内臓などを食べることはありません。けれども狂牛病が話題になった時、愛犬たちはすでに食べていた恐れがあります。
今のところ犬の感染報告はない
現在のところ、ペットの犬が狂牛病に感染したという報告はありません。けれども今後も油断はできません。感染した死骸がきちんと処理をされることを望むしかありません。
もし犬が感染した場合、異常な興奮、攻撃行動、転倒、起立不能、攻撃行動などを起こすことが予想されます。
狂牛病は脳の組織がスポンジ状になり、異常行動、運動失調などを起こした後に死亡します。一時期は爆発的に感染した牛が発見されましたが、今では激減しました。けれどもまだ油断ができないため、政府などが予防に取り組んでいます。
狂牛病ってどんな病気?
狂牛病とは英語ではBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)と呼ばれ、牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう)という病気です。感染症を保有した「プリオン蛋白質」を経口的に摂取したり、移植などによって体内に取り込むことで発症します。
プリオン蛋白質は家畜の飼料などに含まれている危険性があり、それを食べた牛などの家畜が発症してしまいます。また、感染した家畜を食べることで人間などにも感染していきます。
狂牛病は1986年にイギリスで発見された、比較的新しい病気です。狂犬病はウイルスで感染する古くからある病気であるのに対し、狂牛病はプリオン蛋白質によって感染します。
感染の広がった原因
どうして狂牛病が広まることになったのかというと、それは家畜の飼料の作り方に原因があります。アメリカで作られる家畜の飼料は、家畜の死骸の脳や脊髄、内臓などをミキサーで粉砕して作られます。
その原材料である死骸に狂牛病の疑いがあるものがあり、それが飼料として家畜に食べられることで発症してしまうのです。
かつてアメリカではミンクという動物が狂牛病と似たような病気で大量に死んだことがありました。その数は7000頭にも上ったと言われています。このミンクを使って飼料が作られ、その飼料を食べた牛は病気に感染して死んでしまいました。
感染したミンクや家畜をきちんと焼却して処分しなければ、狂牛病は無くなりません。誤って死骸を飼料にしてしまうことで被害が拡大してしまいます。
行政的に感染予防に取り組まなければならない
現在狂牛病を予防するためのワクチンなどはありません。そのため、飼料を作る過程でしっかりと感染の疑いのある家畜を取り除かなければなりません。これは大変大掛りな作業になり、行政的な取り組みが必要になってきます。
また、海外から狂牛病か国内に入ってくることを防ぐために、貿易面でも気をつけなければなりません。狂牛病に感染している疑いのある肉や飼料を輸入しないように取り締まりが強化されています。
世界的に狂牛病が話題になった時、日本でも牛肉の輸入が制限されたことがあります。国内でも狂牛病に感染した牛が報告されました。
現在ではかなり落ち着きつつある狂牛病ですが、まだまだ油断はできません。もしかしたら愛犬が感染してしまう恐れもあります。今後行政的にどのような対策がなされるか注目どころです。