リコール

愛犬家ならば、当然ながらワンちゃんも家族の一員であると考える人がほとんどですよね。だからこそ、大切な家族にはいつまでも健康的でいてほしいものだと思います。
そこで気を付けたいのが、ワンちゃんが毎日食べるドッグフードについてです。ドッグフードだけではなくペットフードにまつわる健康被害は世界各地の愛犬家や愛猫家を悲しませているのです。では、どういった事件や問題があるのでしょうか。ここで詳しく紹介していきます。

ドッグフードに安楽死薬が・・!アメリカで起こったペットフード事件

2016年の大晦日に痛ましい事件は起こりました。
アメリカの老舗ペットフードメーカー「エバンジャーズ」で販売されていた高級ペットフードに、なんと動物の安楽死に使用される薬品の混入が発覚し、リコールが発表されたのです。

発覚のきっかけとなったのは、とある女性の家庭で起きた事件でした。4匹のパグを飼っていたその女性が大晦日のご馳走として「エバンジャーズ」のベストセラー商品「Hunk of Beef Au Jus」というドッグフードを与えたところ、4匹とも具合が悪くなり、そのうちの1匹が未明に死んでしまったのです。

これにより「エバンジャーズ」が即座に調査したところ、動物を安楽死させる際に使用する麻酔薬ピントバルビタールの混入を確認し、その週に製造された「Hunk of Beef」シリーズ製品のすべてを対象とした、米15州でのリコールを発表しました。
そして、問題となった牛肉供給者との40年来の契約も打ち切ったそうです。

こうした老舗ペットフードメーカーでの事件は衝撃的ですよね。
日本での販売も気になるところですが、現在、インターネットで調べる限りでは販売されている様子はありませんでした。ただ通販サイトのなかには、以前、同じ会社のペットフードを取り扱っていたと思われる形跡も確認できたので、輸入ペットフードを購入した覚えのある方は、一度確認してみることをオススメします。

中国産ジャーキーで犬大量死!販売中止にはなったがリコールはされず・・。

2007年頃から報告が相次いで寄せられるようになったのが、中国産ジャーキーによるペットの健康被害です。
犬用おやつとして販売されていたチキンジャーキーを食べて病気になったペットが、2014年5月までに犬5,600匹、猫24匹、死亡例が1000匹以上という深刻な状況でしたが、原因が分からずリコールされずにいたために、2015年末になっても被害は増え続け、さらには人の健康被害まで出てしまいました。

問題のあったジャーキは、販売元がネスレ・ピュリナやデルモンテといった大手ブランドも含まれていました。いずれも製造会社が中国にあり、かつ、ずさんな確認で販売されていたことによって起こりました。

こうした中国産ジャーキーの問題は、他人事ではありません。
日本でもディスカウントショップなどでは中国産のペット用おやつが売られていることが多く、かつ販売元が国内で昔からよく知られてきたメーカーであったりすると、知らず知らずのうちに大切な家族に与えているという可能性もあります。よく確認してから与えるようにした方がいいですね。

2006~2007年、メラニン汚染フードで全世界で39,000匹以上の犬猫が死亡

2006~2007年頃、最も悲惨で歴史的だといわれるリコール事件が起こりました。それは、ペットフードのリコールです。
最初は、中国で製造された小麦グルテンを含むウェットフードを食べたペットが健康上の問題が起こしたことで消費者からクレームを受け、カナダのメニュー・フーズ社が調査を行った結果、病気や死亡という結果が確認されたため、リコールを開始しました。翌週、同じく小麦グルテンを含んでいたペットフードを取り扱っていた数社もリコールしました。

その後、小麦グルテンが工場用化学物質であるメラミンに汚染されていたことが発覚しましたが、すでに健康被害を受けたペットの病状は治らず、腎不全などによる死亡数はその後も増え続けていったのです。その数は、世界で39,000匹以上とも言われています。

恐ろしいことに、このペットフードは、かつて日本でも輸入販売されていました。
もう十年ほど前の話にはなりましたが、今も油断してはなりません。動物は喋れませんし、腎臓の健康被害は飼い主の知らない間に進行していきます。だからこそ、ペットフードの原材料の問題や危険性は常に頭の片隅に置いておくべきことだといえます。

危険なドッグフードは身近に潜んでいる

お店で売られているペットフードはパッケージだけ見ると、どれも安全で良質な肉を使った美味しそうなご飯にみえますよね。
しかし、ペットフードの原材料は人間のものに比べて、全く新鮮とはいえないものが使われていることもあります。中にはなんと薬殺された動物の死肉が使用されている可能性が指摘されている商品もあるといわれています。

ペットの体調とペットフードの因果関係を見極めるのは難しいことですが、ペットフードについて少しでも気になることがあった場合は、ためらわずにメーカーに問い合わせ、納得するまで質問をしてみましょう。
また、安全性については、有名ブランドもマイナーブランドも関係ありませんが、やはりこれまでのことを考えても中国産のメーカーや国産であっても安いメーカーの商品は避けたほうが無難かもしれませんね。