遺産相続・遺贈

自分がなくなった後に、自分の親族が遺産を相続することになります。
しかし家族とは血がつながった人だけではありませんよね。今まで一緒に過ごしてきていたペットも大事な家族のはずです。
そこで今回は、ペットの遺産相続についてのお話をしたいと思います。

日本では、人以外への遺産相続・遺贈は不可能!

まずは日本の例を、と言いたいところですが、今の日本ではペットに対して遺産を相続させることはできません。
その理由として、ペットが「物」として扱われているからです。
動物が虐待されていたら、器物破損として扱われるのもこの辺りが理由です。

民法では相続や遺贈を受けることが出来るのは、「人」に限られていますから、「物」である動物にその権利はないのです。
日本で自分の死後にペットが不自由なく生きていけるようにするには、負担付遺贈や遺言信託などが考えられます。
負担付遺贈は、遺産を渡す代わりに負担が生じるというもので、今回の場合には遺産を渡す代わりにペットの面倒を見る事とすればいいわけです。

もう一つの遺言信託は新しい制度で、信託管理人に遺産を管理してもらい、ペットのために使ってもらうという制度です。
どちらにしても、きちんと面倒を見てくれる人を探すことが最大の問題になるでしょう。

海外の一部では、ペットへの遺産相続・遺贈が法律で認められている

アメリカなどではすでに法律として、ペットに財産を残すことが認められています。
ニューヨークでは1996年に正式に合法化されたようです。
ニューヨークの事例になりますが信託を設立する必要があり、設立をするにはペット名義の口座の開設、管財人と世話人任命、管理監督人の任命が必要です。

管財人と世話人は兼任が出来ますが、管理監督人は別に置く必要があります。
運営の期間は21年までで、21年経つかペットが死亡した場合には財産は処分され、世話人か飼い主家族に分配されます。
遺言がある場合はそちらが優先です。

ペットへの遺産相続の話は世間から見ても関心が高いようで、遺産相続されたペットが亡くなるとニュースになるようです。

膨大な遺産を託された海外セレブ犬たち! その余生の暮らし方とは?

莫大なお金を持った犬たちは、飼い主亡き後も不自由のない生活が出来ます。
中にはとんでもない額を託された犬もいますから、ご紹介します。
最もお金持ちの犬と言われているのが、ジャーマンシェパードのギュンターです。

その総額は約372億円ともいわれています。
元々は124億円ほどだったそうですが、世話人が運営する投資会社により資産が増え続けて372億に達しました。
この遺産はギュンターの息子に引き継がれて、専用の高級車や運転手、召使などを抱えて、シェフがステーキを焼いてくれるのだそうです。

次に多いのが約92億円の財産を受け取ったプードルのトビーライムスです。
この遺産も代々受け継がれていて、今でも増え続けているのだそうです
人から見ても羨ましい生活を送っている彼らですが、良い事ばかりではないようです。

例えばマルチーズのトラブルは、莫大な遺産を受け継ぎましたが、脅迫され避難を余儀なくされたという話もあります。

確かにお金も大事だけど、残される愛犬の本当の幸せってなに・・?

人の幸せがお金とは限らないように、犬の幸せもお金とは限りません。
むしろ、犬の価値観から見ると、お金持ちのような生活が幸せだと感じていない可能性は、人よりも高いのではないでしょうか。
ブランドもので固められた生活よりも、暖かい家族と一緒の環境でその生涯を終えるのが、一番の幸せかもしれません。

それに、ペットに遺産がいくことで、周りの人とのトラブルもあります。
ペットへの遺産が多すぎると、裁判になった例もあるほどで、泥沼の対決に巻き込まれることだって十分にあるのです。
ペット自身は興味がないことかもしれませんが、人の争いに巻き込まれないように、ペットへの遺産相続はほどほどにしておく方が良いのかもしれませんね。