いつもは大人しくてとても聞き分けの良い愛犬が、お留守番の時に家の中をめちゃくちゃに破壊してしまうのを経験したことはありませんか?例えば、机の上のものを全て床に落としていたり、ソファやクッションを噛んで破ってしまったり。これはホームアローンシンドロームと呼ばれるもので、普段はどんなに聞き分けの良い犬であっても起こりうるものなんです。

では、ホームアローンシンドロームは防ぐことが不可能なのでしょうか?今回は、ホームアローンシンドロームがなぜ起こるのか、また、ホームアローンシンドロームを防ぐ対策はあるのかということについて、ご紹介したいと思います。

犬にとって留守番は大きな苦痛なんです

ホームアローンシンドロームの最も根本的な原因は、犬にとって留守番が苦痛なものでしかないということです。もちろん留守番をどの程度苦痛に思うかは、犬種やそれぞれの犬の個性によりけりなのですが、多くの場合、犬は人と一緒にいることや人の仕事を手伝うことに喜びを感じるものなんです。そもそも犬は人の手により、人の仕事を手伝い、人と過ごすように進化させられてきました。

昨今は人もとても忙しい毎日を過ごしています。朝早くに仕事に出かけ、帰ってくるのは夜遅く、また、休日は休日で積極的に趣味を楽しんでいます。そうすると、どうしても愛犬と一緒に過ごす時間は減ってしまうんですね。

研究によると、犬が留守番という行為のストレスに耐えられるのは平均4時間までという結果が出ています。これは犬種やそれぞれの犬の個性により異なるのですが、4時間というのはなかなか短い時間ですよね。

犬が家を破壊するのは不安からです

ホームアローンシンドロームでは、犬は家の中をめちゃくちゃに破壊します。その根本的な原因がストレスであるとしても、家の中を破壊するのはなぜなのでしょうか?多くの場合、犬が家を破壊するのは不安からなんです。

長時間の留守番をさせられた犬は、まず、分離症不安に苛まれます。これは、飼い主と離れたことにより、もう飼い主が帰ってこないのではないか?と思ってしまう気持ちのことです。その後、分離不安が解消されない場合は、犬はパニック発作を起こします。

そうして、どこかにいるはずの飼い主の注意を引こうとして扉や壁をガリガリと引っ掻いたり、大きな声で吠えたりします。自分がここにいることを飼い主に気づいて欲しいという気持ちからの行為です。それでも飼い主が戻らない場合は、飼い主の匂いの染み付いたものに噛み付いたりして不安を解消しようとします。

これによりクッションや衣服がめちゃくちゃに破壊されるわけです。

ホームアローンシンドロームを引き起こさないためにはコツがあります

では、どのようにしたらホームアローンシンドロームを引き起こさずに済むのでしょうか?そのためには、まずは留守番中でも犬が不安を感じなくなるようにする必要があります。最も有効な方法としては、犬を留守番に徐々に慣れさせていくというものがあります。

はじめはとても短い時間の留守番をさせてみて、その時間を徐々に伸ばしていくことで、犬に留守番は特別なことでなく、不安がることでもないと教え込むんです。また、留守番をさせる前の犬のストレスをなるべく解消しておいてあげるのもオススメの手段です。留守番をさせる前に散歩をしたり、ドッグランに連れていったりして、犬のストレスを軽減させておくと、ホームアローンシンドロームの発作が出にくくなります。

また、留守番中に愛犬がリラックスして過ごすことのできる場所を作ってあげることも必要でしょう。その場所には、適度な餌があり、水があり、愛犬のお気に入りのオモチャがあるととても良いと思います。

犬の気持ちを考えてあげてください

このように、ホームアローンシンドロームはどんな聞き分けの良い愛犬にも起こりうるものです。飼い主と離れることは、犬にとってとても大きなストレスなんですね。愛犬の気持ちを考えてあげて、ホームアローンシンドロームが起こらないように気をつけてあげてください。