犬のしっぽは、感情表現、バランスコントロール、呼吸器保護など、色々な役割があります。特に飼い主にとっては、犬の感情や気持ちを理解するのに、しっぽの動きをよく見てコミュニケーションをするようにして下さい。そしてしっぽが動かなくなったら、動物病院へ連れて行く必要があります。
犬がしっぽを振っている時は、嬉しい時だと思っている飼い主もいるかもしれません。
確かに犬は嬉しい時にもしっぽを振りますが、不安な時や警戒している時にもしっぽを振ります。
犬は人間と会話をする事が出来ないため、コミュニケーションの手段として、しっぽの振り方を見て、正しく犬の気持ちが理解出来るようになりましょう。
では犬がどのような時にどんなふうにしっぽを振るのか紹介していきます。
犬のしっぽには色んな役割がある
さきほど犬のしっぽは、感情を表現する手段だと紹介しましたが、厳密にはそれだけではありません。
犬のしっぽには、色んな役割があります。
まず犬はしっぽでバランスをコントロールしています。
そのため走っている時や方向転換する時に、しっぽを振るのは転ばないようにバランスをコントロールするためです。
他にも虫などを追い払うために、パタパタとしっぽを振るケースもあります。
寒い時に犬は丸くなって眠りますが、その時にしっぽを見ると、鼻の上に乗せています。
これはしっぽを乗せる事で、直接冷たい空気が鼻に入らないように、呼吸器を保護するためです。
後は、先ほども言ったようにしっぽで感情を表現します。
そのためまだ言葉を覚えていない子犬のうちは全然しっぽは振りません。
生後1ヶ月ほどすると、犬の言葉を覚えてしっぽを振るようになると言われています。
しっぽの動きで犬の気持ちや感情が分かる
では次は感情表現でしっぽを振る時のしっぽの振り方を紹介していきます。
大きく左右にしっぽを振っている時は、嬉しい時や楽しい時です。
しっぽの振る幅や勢いで、気持ちの大きさを測るといいでしょう。
凄く嬉しい時には、しっぽを大きく円を描くように振ります。
飼い主としてもそんな犬の姿を見たいですよね。
ただし注意点としては、しっぽを振る場合でも、嬉しいからではなく、興奮状態にある場合もしっぽを振ります。興奮状態とは、怒っている時や攻撃性が高まっている時も含まれます。
そのためしっぽの状態だけでなく、しっぽと表情の両方を見れば、犬の感情を間違える事はないでしょう。怒っている時や攻撃性が高まっている時は、口角を引き締めて前歯をむき出しにするなど、険しい顔をしています。
次にしっぽを後ろ脚の間に丸めて隠している時は、不安や緊張を現しています。
しっぽを隠すという行為は、相手よりも自分の方が弱いと認め降参している態度です。
しっぽに力が入り、ピンと水平に伸びているか、もしくは下がっている時は警戒心を現します。
すぐに逃げ出す事が出来るよう、即座に行動出来る体勢を維持しています。
しっぽを高く上げて、先っぽだけ緩く振られている状態は、威嚇をしている状態です。
しっぽを上げると肛門腺をさらす事になります。
これは自分に自信がなければ出来ない行動です。
そのため自信がない時は逆に肛門腺を隠す行動に出ます。
不安な状態にしっぽを丸めるのはそのためです。
このように、しっぽの動きで愛犬の気持ちや感情を理解する事が出来るので、愛犬のしっぽの動きはこまかくチェックしていきましょう。
犬のしっぽは敏感なので必要以上に触らない
犬のしっぽは、急所で身体の部位の中でも、最も敏感な部位の1つだと言われています。
そして敏感な理由は、外敵から狙われた際に、末端が怪我を負いやすく、怪我した時にすぐに気づけるように敏感になっています。
そのため大半の犬は、しっぽを触られるという行為は苦手なので、フサフサで揺れるしっぽに触りたいと思っても、飼い主は触らないようにしましょう。
犬がしっぽを動かさなくなるケースについて
犬のしっぽは感情豊かに動く事が普通です。
そんなしっぽが動かなくなってしまった時には、注意が必要です。
しっぽが動かなくなる原因は、尻尾を動かすための神経が損傷を受けている可能性があります。
そのため、大丈夫だろうと自己判断せずに、動物病院へ連れていき、診察してもらって下さい。
犬のしっぽ まとめ
犬のしっぽは、様々な役割を果たしています。
そして飼い主にとって、もっとも重要なしっぽの役割は、しっぽの動きで感情を伝えてくれる事でしょう。
犬と会話が出来たらいいのに、そんなふうに思った事がある飼い主もいるかもしれません。
ですが会話が出来なくても、犬の感情や気持ちを理解するコミュニケーションの手段として尻尾の動きをよくチェックして下さい。
犬が今、喜んでいるのか警戒しているのか、しっぽの動かし方を見ると分かる事はいろいろあります。
そしてしっぽが目の前で動くと触りたくなる気持ちも理解出来ますが、しっぽはとても敏感な部位なので、飼い主であってもあまり触らないで下さいね。