犬にも血液型があります。一頭の犬にいくつもの血液型が当てはまるなど、人間とは異なる性質を持っているため、輸血の際には注意が必要です。動物病院などでは犬の血液検査もしてもらえます。血液の状態を調べることで、病気の早期発見や健康状態を知ることができます。
犬の血液型は何種類?また、犬種ごとに血液型の偏りはあるのか?
人間の血液型は大きく分けて「A、B、O、AB」の4種類ですが、犬の血液型はそれよりももっと多く10種類以上と言われています。現在でも研究が進んでおり、様々な種類の血液型が発見されているため、厳密な数字を言うのは不可能です。
血液型は赤血球の表面にある抗原の種類によって分かれます。赤血球は全身に酸素を送る働きをしており、人間にとっても犬にとっても重要なものです。しかし犬の赤血球は人間のものと大きく異なります。
人間の場合は「山田さんはA型、鈴木さんはB型」のように、一人一つしか血液型がありません。けれども犬はとても複雑で、一頭の犬にいくつもの血液型が当てはまるということがよくあります。
また、人間の場合血液型占いなどによって「この血液型の人はこんな性格である」といったことが言われることがありますが、犬にはこれは当てはまらないとされています。犬にはいくつもの血液型があるためです。
けれども犬種によって保有する血液型に偏りがあることが分かっています。人間の場合も血液型と性格の関連性についてはまだ分かっていないことがたくさんありますが、「犬種によって性格が違う」というのはもしかしたら犬も血液型が影響しているのかもしれません。
犬と人、血液検査の方法や内容は同じなの?
人間と同様、犬も血液検査をすることができます。動物病院などで頼めば検査キットで調べてもらえます。犬の血液検査にはCBC検査と呼ばれる簡易的な検査と、生化学検査と呼ばれるより細かい項目を調べられる検査があります。
CBC検査では
- 白血球数
- 赤血球数
- ヘモグロビン濃度
- 血小板
について調べることができます。1000~2000円で、血液の状態などが分かります。
生化学検査ではより詳しく血液のことを調べられます。
- 血糖値
- 肝機能
- 尿素窒素
- 蛋白
- クレアチニン
などについて調べ、犬が病気などにかかっていないかを調べます。こちらは3500~5000円と言われています。
ペット保険を適用するとまた何パーセントか安くなることもありますし、血液検査の価格は地域によっても大きくばらつきがあります。事前に動物病院に問い合わせることをおすすめします。
血液検査をすることによって、犬の健康状態について知ることができます。健康に見える場合でも定期的に血液検査をしましょう。5~6歳までは年に1回、シニア犬は年に2回ほどやると、病気などの早期発見につながります。
犬の輸血に関するQ&A
人間の場合輸血が必要になると、血液バンクから血液型にあった血液が送られてきます。そのため万が一輸血をしなければならない事態になっても対応できる場合があります。
けれども犬にはそのような社会的システムは整っていません。2015年に中央大学の研究チームが人工による犬用の血液の開発に成功しましたが、実用化するのはまだ先の話になりそうです。
犬が輸血を行う場合、血液型によって拒絶反応が起きないように気をつけなければなりません。異なるタイプの血液型を輸血してしまうと、血液がうまく機能しません。
緊急を要する場合には、輸血対象の犬が「DEA1.1」という血液型を有していないかどうかを調べます。DEA1.1は最も拒絶反応が起きやすい血液型であるため、もし当てはまる場合は注意が必要になってくるためです。
犬にも人間と同様血液型がありますが、人間のものと性質は大きく異なります。そのため輸血の際には注意が必要です。動物病院などで血液検査を受けさせることができるので、健康状態を知るためにも定期的に受診させるようにしましょう。