「もしかしたら、うちの犬は糖尿病かもしれない」
愛犬を見ていて、そう感じたことはないでしょうか?もし、その疑いがあるなら、すぐに獣医師に検査をしてもらう必要があります。尿検査と血液検査ぐらいなら、1万円もあれば充分なので安心です。ここでは、愛犬を守るために大切な犬の糖尿病の知識についていろいろとお伝えしましょう。

犬の糖尿病の原因と症状について

実は、犬も糖尿病になります。人間と同じように、良くない生活習慣が原因の場合もあるみたいです。たとえば、一度の食事で大量のエサを食べたり、早食いしたりする犬は、糖尿病になりやすいといわれているんです。

若い犬よりも、6歳以上のシニア犬の方が糖尿病を発症する確率は高まります。また、ス犬の方がオス犬よりも発症しやすいというデータがあります。

犬が糖尿病になったときの主な症状▼

  • 大量の水を飲む
  • 体重が減少する
  • おしっこの回数や量が増える
  • 肝臓の辺りがふくれる

また、犬の血糖値は、空腹時で60~100(㎎/100ml)ぐらいが正常ですので、150(㎎/100ml)の値が出た場合は糖尿病の疑いがあります。

実は、糖尿病になりやすい犬種もあり、プードルやビーグル、ラブラドールレトリーバー、ダックスフント、ミニチュアシュナイザーなどがそれに当たるのです。さらに、犬の糖尿病にも、人間の場合と同じように怖い合併症があります。

たとえば、腹痛などを引き起こす「糖尿病性昏睡(ケトアドーシス)」や低血圧や胃腸障害を引き起こす「神経障害」、腎不全につながる「糸球体硬化症」などがそれです。他にも、白内障や網膜症など目の神経に作用してしまう合併症も存在します。

犬の糖尿病の検査方法や治療費

もし、愛犬に「糖尿病なのでは?」と疑われる症状が見られるなら、一度獣医師の元で糖尿病の検査をしてもらいましょう。通常は、ワンちゃんの尿検査と血液検査で診断してもらえます。

かかる費用は、大体尿検査が1,000円、血液検査が5,000円です。これは目安とされる金額ですが、1万円もあれば充分に検査してもらえるでしょう。それから、犬の糖尿病治療には、インスリン注射が必要となることが多いです。

動物病院で犬用の注射器とインスリンの瓶が処方されるので、多くの場合自宅で飼い主さんが愛犬にインスリン注射を打つことになります。慣れないうちはちょっと怖いですが、慣れれば落ち着いて注射できるようになるので大丈夫です。

毎日、1回~2回のインスリン注射をするのが一般的です。その場合、注射器は1本で80円~100円ぐらい、インスリンの瓶は1つが4,000円~7,000円ぐらいの金額となります。
1つの瓶で2ヶ月程度インスリンが使用できるため、約6,000円~7,000円程度のお金が1ヶ月間にかかる計算になるでしょう。

愛犬の血糖値を下げるための食事について

愛犬が糖尿病であると診断されたら、人間と同じように療法食に切り替える必要があります。特に、炭水化物のような糖質をあまり摂らせない工夫をする必要があるのです。

血糖値の上昇を抑えて怖い合併症を引き起こさせないために、糖質制限はしっかりと行いましょう。手作りの療法食を作る場合は、米や麺類などの量をなるべく減らします。

野菜であっても、イモ類やニンジン、カボチャなどは糖質を多く含んでいるので要注意です。また、甘い果物にも果糖と呼ばれる糖質が含まれているので、なるべく食べさせないようにしてください。
手作りのフードなら、使う野菜はキャベツやしいたけなどがおすすめです。鶏の胸肉やレバーなどの肉類は、ビタミンのようなミネラル分を多く含むので少しだけなら与えてあげてもいいと思います。

もし、忙しくて毎日飼い主さんがワンちゃんのための糖尿病食を手作りできないなら、犬の糖尿病用に作られたドッグフードも販売されています。それらを上手に取り入れることで、愛犬の血糖値の急上昇を防ぎましょう。