最近「加計学園問題」が世間を騒がせました。
この言葉がまだ記憶に新しい一方で、もう聞き飽きた・・・興味がない・・・
そもそも何が問題とされているのか分からない!なんて人、きっといますよね。
「加計学園問題」について分かりやすくご説明します。
「加計学園問題」ってなに?何が問題なの?
「加計学園問題」は何が「問題」なのか。
一言で言い表すと、「52年ぶりに獣医学部が新設されることが決まったが、その背景に黒いものが感じられる」という問題です。
でも「黒いもの」とは何か?
順番に解説していきますね。
獣医師が不足している?
獣医と言うと「ペットのお医者さん」というイメージをもたれるのが一般的。
でも実は、獣医の仕事はそれだけではありません。
具体的に言うと、家畜の健康管理や飼育指導、そして伝染病予防が挙げられます。
このような仕事に自治体職員として従事する獣医は「公務員獣医」と呼ばれます。
つまり、民間の「獣医さん」とは少し違う獣医師が存在しているんです。
「公務員獣医」をめぐっては、二つの問題が指摘されています。
ひとつは、その数が不足しているということ。
それに加えて二番目の問題は、地方と都市とで獣医の数に大きく差が開いているということです。
すると、どういうことが起こるのでしょうか。
たとえば地方で牛や鶏といった家畜に伝染病が発生したとします。
そこで「公務員獣医」は少なく、そもそも地方には獣医自体が少ないとなると、病気は広がる一方です。
その結果たくさんの家畜が死亡することになれば、当然、私たちの生活にも大きな影響があるでしょう。
「日本獣医師会」は反論している!
このように、特に地方において、公的な仕事に従事する獣医師の不足が問題とされています。
そのために、地方の大学に獣医学部を新しく作ることが必要だと考えられます。
それにもかかわらず、なぜ52年間も獣医学部は新設されることがなかったのか?
実は、全国の獣医を取りまとめる団体である「日本獣医師会」は獣医不足に反対しているんです。
「日本獣医師会」の会長は「地方レベルでの獣医不足は認めるが、全国的には足りている」と述べています。
そして、これまで50年以上の間、実際に獣医学部が新設されなかったことが、その証拠だと言っているんです。
なぜ「加計学園」だけが獣医学部新設を許可されたのか?
さて、そこで「加計学園」です。なんと学園はこれまで15年間も、獣医学部の新設を申請してきました。
しかし文部省は「獣医が多すぎる」ことを理由に許可しませんでした。
「日本獣医師会」会長の言う通りですよね。
ところが、安倍晋三さんが総理になった途端、なぜか文科省は加計学園に獣医学部新設を許したのです。
この「加計学園」の理事長は、安倍総理がアメリカで学生生活送っていた頃からの友人であることが知られています。
さらに安倍総理は以前に学園の役員も務めていたようです。
同じ「学園問題」で言えば、以前にニュースになった「森友学園問題」の際には、財務省が安倍総理・昭恵夫人の「意向」を配慮し、国の所有する土地を特別に安く森友学園に譲渡した疑いが問題になりました。
今回も同様に、総理の「意向」は働いたのでは?そんな疑惑が浮かび上がったのは当然のことと言えます。
もちろん、安倍総理は加計学園に対する配慮はなかったと強く否定しました。
しかし、その最中に「総理の意向」、つまり総理が積極的に加計学園の獣医学部新設を支援していることを裏付けるかのような文書の存在も指摘されたのです。
ということは、国家として扱うべき獣医学部新設の問題を、総理はやっぱり個人的感情で処理しようとしたのではないか?
そう、ここに「黒いもの」が感じられるのが加計学園の問題なんです。
加計学園問題の今後の動きは?
「加計学園問題」をめぐって野党による厳しい追及も行われましたが、真相はまだ明らかにはされていません。
この問題には多くの政治団体や利益団体が絡み合う、深い闇が隠されているのかも知れません。
ところで最近、バターや乳製品の価格高騰がさけばれています。
その原因は、酪農家の数が減少していることにあります。
そう、日本では人口の減少に伴って、全体的に家畜の数も減少傾向にあることが指摘されているんです。
獣医学部を新設して獣医を増やすよりも先に、たとえばブランド牛を国家的にアピールする。
あるいは、人口の減少を食い止める……もしかしたら解決すべき点はこういったところにあるのではないでしょうか。
「黒い」問題など早く収束させて、政治にはもっと国民のためになることに取り組んでもらいたいですね。