重度のペットロス

ペットを飼っている人の宿命とも言える事がペットは飼い主よりも、先に死んでしまうという事です。
人の寿命は80年近くありますが、犬の寿命は20年もありません。
そのため家族同然で可愛がっていた愛犬が死んでしまった時の悲しみは、例えようもないぐらい大きなモノになってしまうでしょう。

愛犬を失った悲しみから、後追いを考えてしまう事もある

愛犬の存在が家族であり、孤独を癒してくれる存在だった場合に、飼い主は愛犬を失った悲しみからペットロスに陥ってしまう飼い主も少なくありません。
ペットロスとは、ペットの死がきっかけにかかる心の病気の事です。
日常生活の中で、何も手につかなくなってしまったり、食欲不振や不眠になってしまう事もあります。

もっと愛犬のために、出来る事があったんじゃないかと後悔したり、最期の瞬間を何度も思い出し泣きくれて過ごす毎日。
ペットロスの症状が悪化してしまうと、うつ病に陥ってしまい、後追いを考えてしまう飼い主までいます。

ペットを飼った経験がない人からすれば、ペットが死んで後追いなんてと驚くかもしれません。
ですが毎日愛情を注いでいた相手がいきなり目の前からいなくなってしまう訳です。
ペットロスに陥ってしまう心理は、ごく自然な感情だと言えるでしょう。

ペットロスで自殺をしてしまった実例について

残念ながらペットロスを乗り越える事が出来ずに、自殺をしてしまった飼い主もいます。
例えば一人暮らしの孤独な老人にとって、ペットが唯一心を許し孤独を癒してくれる存在だったとしましょう。
その場合、ペットが先に死んでしまったら、自分自身も生きる気力を失ってしまうかもしれません。

積極的な自殺ではなかったとしても、老人であれば食欲不振になり、体力が失われていき、ペットが死んだ数か月後に飼い主も亡くなってしまう。
そんな悲しい事例もあります。

またペットロスがきっかけで、うつ病を発病してしまう人もいます。
うつ病とは、気持ちに大きな波がありますが、「死にたい」「自分なんて消えてなくなりたい」と思ってしまう心の病気なのです。
そのため重度のうつ病になると、自殺の危険性が高くなるため、病院に入院するケースもあります。

心のメカニズムは完全には解明されていませんが、うつ病の場合は、脳の伝達物質の影響も関与していて、薬物治療も有効的です。
うつ病になると自殺願望を理性で抑え込む事は難しくなってしまい、衝動的に自殺をしてしまいます。
だからこそ、家族や友達など周囲の人の支えが必要だと言えます。

「後追い」が頭をよぎった時のペットロス乗り越え方

ペットロスに陥る心理は、自然な感情の現れですし、悲しむ時間も必要です。
ですが後追いだけは、絶対にしないで下さい。
あなたが愛犬を失って悲しい気持ちになったように、あなたが亡くなる事で悲しむ人がいるからです。

時間がかかっても構わないので、ゆっくり元気になりましょう。
ではペットロスに陥った他の飼い主が、どのようにペットロスを乗り越えていったのか、いくつか乗り越え方を紹介していきます。

まず感情を閉じ込めて我慢するよりも、感情を表に出して下さい。
愛犬を失って悲しいと泣く事が大事です。
泣くという行為には、心を浄化させる作用があります。

そして心も体もゆっくりと休める事が大事だと言えます。
ペットロスで食欲不振や不眠になり、身体にダメージが加わっているケースもありますし、何よりも愛犬を失ってしまったという心のダメージは計り知れないものがあります。

社会人であれば、ペットが死んだぐらいで会社を休むなんて無責任と思う人もいるかもしれません。
ですが家族が亡くなると、忌引き休暇がありますよね。
ペットだと忌引き休暇で申請する事は難しいかもしれませんが、少し休む時間は必要なので有休を申請して下さい。

心の整理をするために、愛犬の遺品整理をしましょう。
お気に入りだったオモチャや一緒に過ごした日々の写真など、楽しかった思い出を振り返ってみて下さい。
楽しかった分だけ、失った悲しみは大きいですが、遺品整理をする事で、少しづつ現実を受け入れる心の準備が出来るはずです。

どうしても自分の力では、悲しみを乗り越える事が出来ないという飼い主もいるかもしれません。
そんな時は、新しいペットを飼う事も検討してみてはいかがでしょうか?
もちろん、死んでしまったペットの代わりになる事は出来ません。

ですが新しく愛情を注ぐ相手が出来れば、新しく心を癒してくれる存在にきっとなってくれます。
新しくペットを飼うと、またペットが先に死んでしまい、こんな悲しい思いをしないといけなくなる。
1度でも辛いのに、2度も耐えられない。

そう思う気持ちも理解できます。
でもあなたにとって、ペットと一緒に過ごした日々は幸せな日々でしたよね。
そしてペットが先に死んでしまっても、ペットと過ごした思い出まで失う訳ではありません。

今は辛くても時間が解決してくれるはずです。
ただ時間が経っても一向にペットロスを乗り越える事が出来ないという人は、専門家の力を借りる事が必要かもしれません。
ペットロス専門のカウンセリングも存在しますし、専門家の力を借りればペットロスを乗り越える事が出来るかもしれません。

まとめ

愛情を注ぎ、家族の一員だった愛犬が死んでしまうと、ペットロスになる事は珍しい事ではありません。
失った悲しみに浸る時間、ペットとの思いでを振り返る時間、心と身体を休める時間は必要です。
無理をして普段通りに振る舞うよりも、思いっきりペットロスに陥る方が健全だと言えます。

ただずっとペットロスで元気がないままの状態でいてはいけません。
天国にいるペットだって、飼い主が悲しみ続けるよりも、元気になる事を望んでいるはずです。

早く元気になる事は難しくても、時間がかかってもいいので、ゆっくり一歩一歩前に進み、ペットロスを乗り越えていきましょう。
そして絶対にしてはいけない事は、後追いです。
どんなに悲しくて辛くても、死んでしまったらもう何も出来ません。

泣いて、もっとああしてあげればよかったと後悔しても、生きていればまた楽しい事があると信じて生きる事を選択して下さい。