ペットショップの透明のショーウィンドーにはかわいい子犬が展示され顧客の注目を浴びています。運のいい犬は、優しい飼い主と出会いかわいがられて一生を終えていくでしょう。しかし売れ残った犬たちはその後どうなってしまうのでしょうか。
ペットショップで売れ残った犬達は、幸せになれる?
あるペットショップのアルバイト店員の話によると、お店の裏には展示できない皮膚病を患った犬や店員の不注意で骨折してしまい売り物にならない犬が段ボールに入れられていたといいます。
その子たちは保健所に連れていかれ殺処分されてしまいます。また売れる時期を逃してしまった生後6ヶ月の子犬はビニール袋のまま冷蔵庫に入れられ、翌朝凍え死んだ遺体を生ごみと一緒に出していたというのです。
良識のあるペットショップは里親探しや、スタッフが引き取って育てることもあります。しかし、売れ残った末、繁殖犬になり生涯、不衛生なフンや尿にまみれた小屋で繁殖のためだけに生きる犬たちがいるのも事実です。
繁殖業者(パピーミル)に渡ると犬は繁殖の道具のように扱われます。ブリーダーのもとで地獄のような日々を送るかわいそうな犬や動物実験業者の手にわたり実験体にされる犬、そして動物病院で手術の練習台にされている犬がいることをご存知でしょうか。
なぜ犬の破棄事件が相次ぐ?ペットショップがなくなれば改善されるのか?
日本は動物愛護の国だと思っているかもしれませんが、実は動物愛護については後進国です。ヨーロッパではペットショップは完全認可制で店頭販売は禁止されています。ドイツでは殺処分ゼロ。動物の命をいかに尊く感じているか分かります。
一方日本では売れないペットを軽々しく保健所に持ち込み、残酷な方法で命を奪っています。日本の大量生産、大量消費が問題なのであり、この考えを改めなければペットショップを廃止してもネットでペットを売りさばくことになるでしょう。
生体小売業者は根本的にもうけ主義のビジネス体制を改めるべきです。ペットはモノではなく命ある私たちの仲間であるという意識改革が必要です。犬の残酷な大量破棄は、日本の恥ずべき体質といえるでしょう。
こういった意見に賛同する人々の力で現在のペットショップの在り方を改善する改革の波を起こし、商売道具としてペットを扱わない法律を作ることはできないのでしょうか。
ペット業界の裏側にも少し目を向けてみて下さい
ペットショップの存在を否定するわけではありません。母犬の健康情愛も考えず、ただ子犬を生産するだけの道具として扱っている悪徳パピーミルから、犬を買い付けているようなペットショップが問題なのです。
かわいいペットを陳列し、愛嬌の良い店員さんが対応してくれるペットショップからは想像がつかないでしょうが、実際、つらい目にあっているペットたちがたくさんいることを知ってください。
ヨーロッパ諸国のように動物愛護を実践できる環境を日本も整えていかねばなりません。そのために、日本のペット業界の事情を理解し、諸外国に恥じないペット愛護の国に近づきましょう。
私たちペットオーナーができることは、ペットはきちんとしたブリーダーから買うことです。これ以上不幸なペットを増やさないよう、私たち一人一人のこころがけが大変重要です。