心を癒すエモーショナルサポートアニマル

愛犬と一緒にいる事でストレスが軽減したり、悲しい時に慰められたりした経験がある飼い主は多いですよね。
動物セラピーという言葉があるように、動物と一緒にいる事は人の心にとって癒し効果があります。

ですがまだ日本では、エモーショナルサポートアニマル(ESA)という言葉はあまり浸透していません。
ではエモーショナルサポートアニマル(ESA)とは、一体何の事なのでしょうか?

エモーショナルサポートアニマル(ESA)とは?

例えば目が見えない人にとって、盲導犬とは日常生活になくてはならない存在です。
他にも怪我や病気をして日常生活に介助が必要な人に、介助犬がサポートしてくれます。
このように盲導犬や介助犬は、ペットでは物理的な面で日常生活をサポートしてくれるパートナーだと言えます。

エモーショナルサポートアニマル(ESA)とは、物理的ではなく、心理的な面で日常生活をサポートしてくれる訓練された犬の事です。
うつ病やパニック障害など、様々な心の病気が存在しますが、心理的に不安定で1人で生活する事が困難なケースでは、エモーショナルサポートアニマル(ESA)が精神の安定を支えてくれる存在です。

心の病気を薬に頼るのではなく、エモーショナルサポートアニマル(ESA)に頼る事で症状を改善方向へ導いてくれます。
まだ国内ではあまりエモーショナルサポートアニマル(ESA)の存在は認知されていませんが、アメリカなどでは米国政府が証明書を発行すれば、飛行機や電車などの公共機関でも犬を連れて行く事が可能です。

エモーショナルサポートアニマルたちの仕事内容

エモーショナルサポートアニマル(ESA)の仕事内容は、常に飼い主のそばにいて、精神の安定を支える事です。
うつ病にしてもパニック障害にしても、心の病気の多くは、不安が引き金になり発作が起こりやすいのです。
発作が起きてしまうと、発作をおさめるには薬や医師による治療が必要なケースもあります。

ですがエモーショナルサポートアニマル(ESA)と一緒に行動する事で、発作の引き金になる不安をある程度抑える事が出来ます。
その結果、日常生活で1人では生活出来なかった人が、エモーショナルサポートアニマル(ESA)と一緒にいれば1人と一匹で日常生活を自立出来るようになります。
だからこそ、いつも一緒にいれるようにアメリカでは、飛行機や電車でも許可されていますが、他の国では飛行機でエモーショナルサポートアニマル(ESA)が搭乗を拒否されたなどのトラブルが多発しているのが現状です。

ESAの資格は飼い主が取得するもの

では、犬をエモーショナルサポートアニマル(ESA)にしたいと思ったらどうすればいいのでしょうか?
盲導犬の場合は、子犬のうちから盲導犬になるために様々な訓練を受け、訓練に合格すれば犬自身が盲導犬の資格を取得します。
そして目が不自由で盲導犬との暮らしを望む人の元に、盲導犬は届けられます。

対してエモーショナルサポートアニマル(ESA)は、犬自身に特別な訓練が必要な訳ではありません。
まず犬を飼っている飼い主が、精神的に本当にエモーショナルサポートアニマル(ESA)がそばにいる必要があるのか、カウンセリングを受けます。
そしてカウンセリングを受けた結果、エモーショナルサポートアニマル(ESA)が必要だと判断されると、精神科医が証明書を発行します。

そしてその証明書を取得した飼い主が選んだ犬がエモーショナルサポートアニマル(ESA)となる訳です。

世界各国でのESA事情はどうなっている?

エモーショナルサポートアニマル(ESA)事情は、国によって大きく制度内容が異なっています。
先ほど紹介したように、アメリカではインターネットで誰でも簡単に資格が取得できる状況なので、かなり世間に認知された存在です。

対して隣の国のカナダでは、どのような心の病にも対応してくれるのではなく、戦争を経験してPTSDを発症した退役軍人だけがエモーショナルサポートアニマル(ESA)を認められているので、利用できる人がとても限定的となっています。

ペット先進国であるイギリスでは、エモーショナルサポートアニマル(ESA)は現時点では国が認可していません。
ですがストレス社会で精神的に不安を抱える人が増え、エモーショナルサポートアニマル(ESA)の合法化を求める声は強まっています。

ESA資格が簡単に取得できることで生まれる問題点

エモーショナルサポートアニマル(ESA)の資格は、犬に資格が必要な訳ではなく、飼い主にエモーショナルサポートアニマル(ESA)が必要かどうかで証明書が発行される仕組みです。
逆に言えば、盲導犬は訓練を受けて電車の中でも大人しく目が見えない人を導くのに対して、エモーショナルサポートアニマル(ESA)は特に訓練を受けた犬ではありません。
そのため飼い主がしっかりと犬をしつけられていない場合、電車に乗る事で犬が興奮をして騒ぎを起こしてしまうようでは、飼い主も精神的な安定どころの騒ぎではないですよね。

またアメリカではインターネットで精神科医と話すだけで、簡単に資格が取得出来る事が問題視されてしまっています。
確かに資格が簡単にとれてエモーショナルサポートアニマル(ESA)を利用する人口が増え過ぎて、病院の施設や飛行機などに犬がたくさんいる光景は、さまざまなトラブルが生じてしまうでしょう。
資格の事や訓練方法などをもう一度考えてみないといけないのかもしれませんね。

他にも本当は精神的にエモーショナルサポートアニマル(ESA)は必要ないものの、飼い犬を移動させるのに車を所有していないから、電車で移動したい。
そんな飼い主が精神的に不安があると虚偽の申請をし、資格を取得するケースも増えていて、問題視されています。

エモーショナルサポートアニマル(ESA)まとめ

エモーショナルサポートアニマル(ESA)の存在によって、精神的に不安を抱えている人が安定して暮らせるとすれば、それは非常に素晴らしい制度だと言えます。
しかしながらまだエモーショナルサポートアニマル(ESA)という制度がスタートしてから、歴史が浅い事もあり、国ごとの事情の違いや、資格の条件、そして公共機関等での対応など、いろいろ問題を抱えている事も事実です。

ですが本当に困っている人が、助けられる制度として、正しく機能出来れば、素晴らしい事だと思います。

関連記事です☆