犬と言えば全身を覆っている毛が特徴的です。
犬種によって、硬かったり、柔らかかったりなどの違いはありますが、日本で見る犬の多くは毛が生えていることでしょう。
しかし中には毛が生えていないものも存在しています。今回はそのヘアレスドッグをご紹介します。
ヘアレスドッグとは?
名前の通り毛がほとんどは得ない犬種の事です。
抜け毛やフケがほとんどありませんから、アレルギーフレンドリーな犬として親しまれています。
その特徴としては毛がほとんど生えていないことに加えて、歯に異常(欠歯や形)があります。
またヘアレスドッグとは言いますが、同種の犬で全身に毛が生えているものもいます。歯の異常があることからわかると思いますが、毛が生えていない状態の方が普通とは異なっている状態で、外肺葉が由来の組織や器官に形成異常が出ている状態です。
外肺葉とは、受精卵が細胞分裂を繰り返していく初期段階で3つに分かれたうちの1つで皮膚や神経を作ります。
ヘアレスドッグが生まれる背景として、ある遺伝子(ヘアレス遺伝子)が関係しています。
FOXI3と呼ばれる遺伝子が変異してヘアレス遺伝子となり、ヘアレス遺伝子は優性遺伝をします。
つまり、FOXI3遺伝子の片方が変異したヘアレス遺伝子であれば、ヘアレスドッグになるわけです。
しかし両方がヘアレス遺伝子であれば、子供は胎児の間に死亡してしまう為、ヘアレスドッグの交配は毛が生えているものと生えていないものとで行う必要があります。
この事実は80年前の学術誌に発表されたもので、昔から関心を集めていたのがわかりますね。
ヘアレスドッグの犬種と原作国! 日本でも飼うことが出来るの?
ここではヘアレスドッグの具体的な犬種につてご紹介します。
一匹目はアメリカン・ヘアレス・テリアです。原産国はアメリカで、2~11キロほどになる小型~中型犬です。性格は利口で人懐っこいですが、アメリカでも珍しい犬です。
続いてのチャイニーズ・クレステッド・ドッグは原産国が諸説ありますが、その1つが中国です。体重5.5キロ以下ほどしかない小型犬で、陽気で穏やかな性格をしています。
ただし警戒心が強く臆病な面があるため、社会化が重要になります。
ペルーが原産のペルービアン・インカ・オーキッドは、小型のもので4~8キロ、大型で11~24キロほどなるようです。とても利口で、飼い主にとても忠実な犬です。
子供でも仲良くできますが、警戒心が強いため見知らぬ人には用心深いでしょう。
同じくペルーが原産のペルービアン・ヘアレス・ドッグも、大きさがいくつかあり小型だと4~8キロ、大型で12~25キロほどになります。
人との交流が好きな犬で、特に飼い主に対しては愛情豊かになるでしょう。警戒心が強い部分もあります。
メキシカン・ヘアレス・ドッグはメキシコが原産です。体重は9~14キロほどになり、温厚で攻撃性が低いです。利口な犬でもありますから子供とも仲良くできます。
これらヘアレスドッグですが、日本にはほぼブリーダーがいないため、購入するには外国のブリーダーとコンタクトを取り輸入するのが一般的な方法になります。
もしも日本で飼っているという人がいるのなら、子犬をもらえないかを交渉してみましょう。
ヘアレスドッグを飼う際の注意点とは
被毛がないことで、他の犬よりも注意しないといけない点が多いです。
まず皮膚が乾燥しやすいため、保湿クリームを塗るなどして保護してあげる必要があります。
それから、皮膚が露出していますから夏には直射日光に気を付けないといけませんし、被毛がなく寒さに弱いことから、冬には服を着せるなどの寒さ対策もしてあげましょう。
また他の犬よりも皮脂が出やすい犬種になりますから、シャンプーの頻度も少し多めにしてあげた方が良いようです。
夏の日差し対策に日焼け止めクリームを塗るのも良いでしょう。
毛がない分飼い主の気配りが重要
ヘアレスドッグとは、本来の姿とは言い難いところがあります。
そのため、飼う場合には飼い主が、体調などを気がけて見てあげてください。