散歩中、愛犬が事故に遭ったりして心肺機能が止まってしまっても、飼い主は冷静でいる必要があります。もし、愛犬が呼吸をしていなければ、すぐに人工呼吸を行いましょう。心拍が止まっている場合は、心臓マッサージも必要です。
飼い主の賢明な判断により、愛犬の命が助かることもあります。

こんなとき、あなたならどういった対応をとりますか?

ペットは、飼っている人にとっては家族も同然の存在です。そんな愛犬がもし、急に倒れ込んでしまい、心臓が止まっていたりしたらあなたはどうしますか?

また、呼吸が止まっている場合、飼い主にすぐにできることはないのでしょうか?おそらくそんな時には、飼い主によって2つのタイプに分かれると思います。

「パニックになって何もできない」タイプと「命を救う最善の方法を考える」タイプです。愛犬が突然生命の危機にさらされた場合、その場で冷静に対処できるかどうかがその後の明暗を分けることになります。

もし、愛犬に呼びかけても反応がなく、呼吸もしていないようであれば、まずは人工呼吸を行う必要があります。速やかに心肺蘇生処置を行うことで、愛犬の命が助かる可能性が高まります。

まずは心肺機能の確認

愛犬の様子がぐったりしていたら、まず心肺機能が働いているかどうかについて確認しましょう。つまり、呼吸と心拍の有無について調べるのです。

愛犬の体の右側を下にして、左側が上に来るように寝かせてください。この時、飼い主は犬の背中側に体が来るようにします。この姿勢が心肺蘇生処置を行う時の基本的な体の位置です。

最初に、愛犬が呼吸をしているかどうか、確認しましょう。まず、愛犬の胸に手を当ててみて、息を吸って上下に動いているかどうか調べます。

その後、口元に片手を持っていって息が吹きかかるかどうかを調べます。さらに、愛犬の口元に耳を近づけて、呼気の様子について確認しましょう。

それと同時に、心拍の方も動きがあるのか確認する必要があります。心拍の有無は、心臓の位置だけでなく、前足や太もも、後ろ足にある動脈を押さえることでも確認できます。

心臓は、愛犬の前足を持ってそのひじを犬の胸の付近まで動かした時に、ちょうど触れる位置にあります。その部分に指先を当てて、心臓が動いているかどうか確認しましょう。

救急人工呼吸を行う

もし、愛犬が呼吸をしていないと確認した場合は、「マウスツーノーズ」の人工呼吸を行いましょう。自発呼吸が始まるまで、それを続けていきます。

まず、愛犬の体の左側を上にした状態で寝かせます。その時に、まっすぐに首を伸ばす姿勢にして気道を確保できるようにしてください。

次に、愛犬の鼻と口をすっぽりと覆うように自分の口をあてがいます。愛犬の唇は両手でしっかりと押さえておき、そこから空気がもれないように注意しましょう。

そのまま、愛犬の胸がふくらむように、ゆっくりと息を吹き入れます。この時、一度にたくさんの息を吹き入れてしまうと、胃の中に空気が入ってしまうことがあるので要注意です。

大体、60秒のうちに15回ぐらいこの動作を繰り返しましょう。このやり方は、小型犬、中型犬、大型犬、すべてのタイプの犬に共通となります。

心臓マッサージを行う

心拍が停止している場合は、ただちに心臓マッサージを行う必要があります。やり方は、小型犬、中型犬と大型犬など、愛犬の体の大きさによって若干違ってきます。

まず、愛犬の体を左側が上になる姿勢にして寝かせましょう。この時、口腔内に異物があれば、すぐに取り除いておきます。

  • 小型犬の心臓マッサージ方法
  • 指を使って指圧するようにマッサージしていきます。犬の胸の位置を両手で囲むようにし、ちょうど自分の親指が愛犬の心臓付近に来るようにしてください。※愛犬の前足の付け根付近から心持ち下の位置が心臓となります。

    この時、心臓を押す強さは、愛犬の胸が親指によって3~4センチぐらい沈む程度にします。この心臓マッサージを10回するうちに1回程度人工呼吸を行うようにしていきます。

  • 中型犬、大型犬の心臓マッサージ方法
  • 愛犬の心臓の位置に親指の付け根を置くようにします。その上にもう片方の手を重ねるようにしてください。

    自分の体重を両方の手にかける姿勢で押してマッサージします。この時、愛犬の胸が5~6センチ沈む程度の強さで押していきましょう。5回の心臓マッサージをする間に1回だけ人工呼吸を挟むようにしてその動作を続けます。

上記の心臓マッサージは、愛犬の心拍が自然に戻ってくるまで継続しましょう。

まとめ

愛犬の心肺機能が蘇生するまで、根気よく救急人工呼吸や心臓マッサージを繰り返していきましょう。きっと、愛犬は生き返るはずです。

その後、速やかに獣医師に診てもらうようにしてください。

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