頭が痛い時には頭痛薬、胃の調子が悪い時は整腸剤など、人間はときにさまざまな薬に頼りながら生活をしているものです。中には副作用もほとんどなく、とても有効的なお薬も存在しますよね。
しかし、そんなお薬をワンちゃんに与えていいのか疑問に思ったことはありませんか?ここでは、犬と人間用の薬についてご紹介します。

【人用内服薬の誤飲】犬が人用の薬を飲むことはやっぱり危険?

時々、ワンちゃんに人間用の薬を与えてもいいのかどうかという疑問の声があがります。これについて、大丈夫という人もいれば、絶対にいけないという人もいます。
というのも、人間用の薬のすべてがワンちゃんにとって大丈夫とは限らず、逆に全てが毒になるというわけでもないからです。
どの種類が良くて、どの種類がダメなのかを知っておくことも重要ですが、専門的な知識にもとづいて判断した方がいい場合も多いので、獣医師でない飼い主さんが独自に判断して与えるのはちょっと危険です。

また、飼い主さんが気を付けていても、床に落ちていたり机に置かれたままの薬をワンちゃんが食べてしまうといった誤飲もあるかもしれません。この場合に怖いことは、飼い主さんもその薬がワンちゃんにとって大丈夫なものなのかが分からないことだと思います。
飲ませる飲ませないといった考えはもちろんですが、日頃から薬の管理はしっかり行いましょう。

犬が人用の薬を誤飲してしまった時の対処法

もしも愛犬が人間用の薬を誤飲してしまったとき、飼い主には何が出来るのでしょうか。
ワンちゃんが薬を飲み込んでしまったと分かったら、とにかく、早いうちに吐き出させるのがいいでしょう。ワンちゃんにとって有害となる成分が体内に吸収される前に吐き出せるかどうかも重要です。

変なものを飲み込んでしまったと判断すると、ワンちゃんは自然にそれを吐き出そうとするので、背中をさするなどをして手伝ってあげましょう。吐いたあとは脱水も起こしやすいので、水を与えるようにするのもベストです。ただし、無理して飲ませないように注意してください。

しかし、この対応が無事に出来たとしても、まだまだ安心できません。
容態が悪化する可能性も考えて、獣医さんに診て貰うのが一番です。

動物病院ですと催吐剤という吐き気を促す薬剤や、下剤や浣腸といったものもそろっています。症状が重い場合であっても、胃洗浄や腸洗浄を行うことができるので、すでに吸収されてしまった薬の成分を可能な限り薄める処置ができます。

誤飲の対処は一刻を争うことでもあります。こうした事故を防ぐために誤飲の事故を防止する工夫に加えて、夜間動物病院を調べておくことも大事ですよ。
また、薬だけではなく、サプリメントのなかにも犬の身体によくない種類のものもありますので、何を与えてはいけないかという知識だけでもしっかり持っておきましょう。

逆に、犬と人が共用できる内服薬はあるのか?

さて、ここまでは犬に与えてはいけない薬を前提として語ってきましたが、逆にワンちゃんに与えても問題ない薬はあるのでしょうか。
これなら大丈夫という知識もまた、飼い主さんにとっては重要ですよね。そこで、少し調子が悪そうなんだけど、病院に行くほどでもないみたいだし、という愛犬の不調に対応できる整腸剤についてご紹介します。

まず、ワンちゃんに与えてもいいかどうかの判断基準の一つが、赤ちゃんに使っても大丈夫かどうかということです。
もちろん、それだけを判断材料にして何でもかんでもワンちゃんと共用するのはちょっと不安ですが、生きた乳酸菌を腸までお届けする整腸剤ならば、判断基準となります。

整腸剤の場合は、「ビオフェルミン」や「ミヤリサン」といったものがオススメされています。
ビオフェルミンは乳製品を含んでいる点に注意しましょう。また、細菌感染による下痢にはあまり効果がないということも覚えておきましょう。

ミヤリサンは動物病院でも使用されることのある整腸剤です。
抗生物質と一緒に使用することで、胃腸への負担を軽減するためです。与える量は、ビオフェルミンもミヤリサンも同じく、小型犬で半錠から1錠、中型犬で1錠から1錠半、大型犬や超大型犬なら3錠ほどを目安とします。

ちょっと胃腸が不調であるという場合なら、これらの整腸剤の使用は効果的かもしれません。
ただし、ビオフェルミンやミヤリサンでは改善しない場合もあります。飲ませてみても変わりがないというときは、迷わずに動物病院に連れていくことをオススメします。

まとめ 獣医に相談なしに人間用内服薬を与えるのは非常に危険!

人間用の薬やサプリメントの中には犬の身体にとって有害なものもあります。なかには死に至ることもあるので、専門知識のない人が勝手に判断して与えるのはとても危険です。誤飲を防ぐことはもちろん、犬に与えても大丈夫として有名な薬以外は獣医との相談なしに与えないようにしましょう。