犬がチョコを食べてしまうとどうなる

犬にとって、チョコレートは危険な食べ物だと知っていますか?
実は、ワンちゃんが人間用のチョコを食べると、中毒死してしまうこともあるんです。
ここでは、犬がチョコを食べてしまった場合の対処法などについて解説いたします。

犬がチョコを食べてしまうと中毒症状が出るって本当?

ワンちゃんにチョコレートやココアなどのカカオ類を食べさせると、中毒症状が出てしまうことがあるんです。
初期症状としては、尿や下痢がたくさん出たりと、まず排泄物に異常が出ます。

次に、精神状態が不安定になったり、興奮や嘔吐の症状が出てきたりすることもあります。酷い場合は、筋肉にけいれんが起こり、呼吸困難に陥ります。
さらに時間が経つと体が麻痺してしまい、死に至ることもあるので要注意です。

  チョコを食べた犬に見られる中毒症状とは?

  • 嘔吐する
  • 下痢が出る
  • 頻尿になる
  • 喘ぐような呼吸をする
  • けいれんを起こす
  • 不整脈など脈に異常が出る
  • ふらつく
  • 昏睡状態になる
  • 体が震える

犬がチョコを食べると、上記のような中毒症状が出やすくなります。
これは、チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が関係しています。
ワンちゃんには毒性の強い成分であり、もし大量に食べてしまうと6時間~24時間で死亡することもあるのでホントに怖いです。
 

犬には毒性の強い「テオブロミン」について

テオブロミンは、塩基性化合物である「アルカロイド」の一種とされています。
アルカロイドといえば、カフェインやモルヒネ、タバコに含まれるニコチンなどの成分が挙げられます。

たとえば、人間がコーヒーを飲んでカフェインを摂ると、利尿作用や眠気覚ましの効果がありますよね?
人間の場合はそれぐらいで済むのですが、ワンちゃんの場合はもっと強い作用が体内で起こってしまうわけです。

それに、ワンちゃんの体は一度摂取したテオブロミンを体の外に排出する機能がほとんどないんです。
そのため、テオブロミンの毒素が体内にずっと留まってしまいます。

それが原因で、死に至ることもあるわけですね。

どのぐらいの量で中毒になるの?致死量は?

ワンちゃんが食べたチョコの中に含まれるテオブロミンの量によって、中毒症状が出るかどうかが決まるんです。
そのため、チョコレートの種類によっても、多少の違いが出てくるでしょう。

危険なチョコ摂取量 ミルクチョコ ビターチョコ
5㎏程度の小型犬 2枚 1/2枚
15㎏程度の中型犬 6枚 2枚
30㎏以上の大型犬 11枚 4枚以上

致死量となるのは、上記のチョコに含まれるテオブロミンを5倍以上摂取した時です。
その状態になれば、およそ50%の確率でワンちゃんは死に至るでしょう。

愛犬がチョコを食べてしまった時の対処法とは?

もし、ワンちゃんがチョコを舐めてしまったら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
一刻も早く獣医師に診てもらうことが大切です。

その際には、飼い犬が舐めたチョコの包み紙などを持っていくようにしてください。
どのような種類のチョコを舐めたのかがはっきりすれば、獣医師も対応しやすくなります。

ワンちゃんが舐めたチョコを吐かせることが必要な場合もあります。
その際にも、やはり飼い主ではなく獣医師に対処してもらった方が安全です。
早めに動物病院に連れていってプロの判断に任せる方が安心できます。

愛犬がチョコを食べてしまった時の応急処置について

動物病院へ連れていくのがベストですが、もし動物病院が閉まっている時間帯であれば飼い主が応急処置をするしかありません。
もっとも有効な応急処置は、食べてしまったチョコをできる限り吐かせることです。

簡単なのは、食塩を飲ませて吐かせる方法でしょう。
まず、スプーン1杯~7杯分の塩をワンちゃんの舌の上に乗せます。
その後、水をたくさん飲ませてあげましょう。
そうすることで、愛犬はチョコを吐き出しやすくなります。

または、薄めたオキシドールを利用して吐かせる方法もあります。
最寄りの薬局でオキシドールを購入し、愛犬に飲ませて胃の中に酸素を発生させましょう。飲ませる量は、犬の体重5㎏分に対して1㏄程度となります。
スポイトを使って飲ませるようにすれば、上手くいきやすいです。

犬がチョコを食べてしまわない環境作りをしよう

飼い犬がチョコを食べてしまった場合、人間の不注意による過失と考えて間違いないでしょう。ワンちゃんが危険な食べ物を口にしないように、日頃から気を付けておく必要があります。

【愛犬の近くに人間の食べ物を放置しない】
室内で飼われているワンちゃんにとって、人間の食べ物はとても美味しそうに見えています。だからこそ、飼い主さんがつい食べ物を放置していると、ワンちゃんが口にしてしまう事故が起こるんです。

愛犬を中毒死から守るために、犬に食べさせられないチョコなどは決して出しっ放しにしないように注意しましょう。

【日頃からしつけをしておく】
もし、ワンちゃんがチョコを食べそうになっても、飼い主さんが「ダメ」といえば言うことをきくようにしつけましょう。
お菓子を拾い食いしそうになったら、「マテ」と指示を出してください。

日頃からきちんとしつけをしておけば、愛犬が危険な食べ物を口にするリスクも減らせます。

【飼い主が留守中の時はゲージやサークルに入れておこう】
もっとも危険なのは、飼い主さんが家を留守にしている時です。
ワンちゃんはとても鼻が効くので、人間用のお菓子の美味しそうな匂いによってその在りかをかぎつけます。

飼い主さんの留守中に人間用のお菓子を探さないように、犬用のゲージやサークルの中に愛犬を入れておきましょう。

愛犬を中毒死から守るために

大切な可愛い飼い犬が、人間用のチョコを食べて中毒死してしまう、そんな悲しい出来事はありませんよね。
ワンちゃんを室内飼いしている場合は、犬にとって危険性の高い人間用の食べ物は絶対に放置しないようにしましょう。

注意を怠らないことで愛犬の健康を守れます。