異種動物

犬と他の動物を一緒に飼う事は、決して不可能ではないものの、犬種や性格、飼うタイミングなど細やかな配慮が必要だと言えます。
犬と猫が仲良く生活をともにする事例を見ると、赤ちゃん同士や片方が赤ちゃんで母性本能を刺激する状況であるケースが多い事が分かります。

家族によって犬派と猫派に分かれてしまい、現在すでに犬を飼っているけれど猫も飼いたいなんて状況になるかもしれません。
ですが犬と猫が同じ空間で仲良く生活をともに出来るかどうか心配ですよね。
では、実際に犬が犬以外の動物と仲良くなる事が可能なのでしょうか?

犬は犬以外の動物と仲良くなれるのか?

まず結論からいうと、犬は犬以外の動物と仲良くなれるのか?というと仲良くなれる可能性はあると言えます。
もともと犬は非常に社会性が高い動物で、優れた順応性を持っています。
そのため子犬の頃に、しっかり社会性を身につけた犬であれば犬以外の動物と仲良くなれるでしょう。

特に子犬の頃から一緒に過ごしている相手に対しては、家族だと認識する可能性が高いためどんな動物とでも子犬の時に出会っていれば、仲良くなれる可能性が高くなります。
ただし注意点としては、犬種によっては仲良く出来ない可能性があります。

例えば狩猟犬の場合は、狩猟犬としての本能が残っているため、小動物を見ると追いかけて捕まえたいという欲求が生じてしまいます。
本能的な行動に対しては、しつけで無理やり強制させる事は難しいと言えます。

また犬種によっては警戒心が強く臆病な性格の犬もいます。
そのような性格の犬であれば、他の動物はもちろん犬同士であっても、他の動物と一緒に生活をともにする事にストレスがかかってしまいます。
生活でストレスを与えられ続けると健康を損なう可能性もあります。

なので犬と他の動物を一緒に飼いたいと思っているのであれば、犬種や犬の性格まで考慮する必要があります。

素敵すぎる!他の動物と仲良くするワンコたちの事例

では実際に犬が他の動物と仲良くなった事例をいくつか紹介していきます。
面倒見がいいフレンチブルドッグがイノシシの赤ちゃんを森で見つけました。
イノシシの赤ちゃんは、野生のイノシシでお母さんイノシシとはぐれてしまったようです。

面倒見がいいフレンチブルドッグは、母性本能が刺激されたのでしょう。
なんとイノシシの赤ちゃんをかいがいしく面倒をみてあげたそうです。
実はこのフレンチブルドッグは、過去にも子猫や子ウサギも面倒をみた実績がありベテラン異種ママなのです。

他にもお母さんが亡くなってしまった子犬3匹を猫が育てた事例もあります。
実はこの猫、自分の子猫を亡くしてしまったばかりだったようです。
母親を亡くした子犬と子猫をなくした猫が、それぞれ喪失感を抱えながらも通じるものがあったのかもしれませんね。

異種間であっても仲良くしている姿を見ると、異種間を超えた愛情を見る事が出来素敵だなと思いますよね。

「犬が他の動物の赤ちゃんの世話をする」ことについて

犬が他の動物の赤ちゃんの世話をする事は、偶然ではありません。
もちろん犬種や個体差はありますが、犬は匂いや声から赤ちゃんである事をちゃんと認識しています。
そして赤ちゃんは本能的に母性本能を刺激する存在なので、赤ちゃんを見ていると優しくしないといけない、自分が守らないといけないという気持ちになるのです。

そのため周囲に自分以外、その赤ちゃんを世話する存在がいない場合は、母親に変わって赤ちゃんを育てる事例が世界中で数多く見られます。
犬の祖先はオオカミで、オオカミは群れで行動する動物です。
そして群れの中で生まれた赤ちゃんは、群れの雌みんなで世話をして育てていました。

だから赤ちゃんを産んでいない雌犬が自分の赤ちゃんではなくても大切に育てるのは本能的な行動あと言えます。
あと犬はとても賢い動物なので、飼い主の感情に共感する事があります。
どういう事かというと、飼い主と長年一緒に生活をともにしていると、飼い主の表情や行動から感情を読み取る事が出来るようになります。

そのため飼い主が可愛がっている他の動物の赤ちゃんに対して、自分の大切に可愛がらないといけないという感情になる訳です。
つまり飼い主が子猫を可愛がれば、自然と飼い主の言動を見て犬も子猫を可愛がるようになるかもしれません。

もし、これから犬と他の動物を仲良くさせたいと思っているなら

もしあなたの家族が犬派と猫派に分かれていて、犬も猫もどちらも飼いたいと思っているのであれば選ぶ犬種と性格、そして購入するタイミングを考えて下さい。
他の動物と仲良く出来る犬種もいれば、仲良く出来ない犬種もいます。
これは本能的なモノなので、しつけ等でどうにかなる問題ではありません。

なのでペットショップなどで相談して、猫と一緒に飼っても問題ない犬種を選びましょう。
そして犬種を選んだところで個体の性格はそれぞれ異なります。
ストレスを溜め込みやすい子や臆病な子の場合は、他の動物と一緒に飼う事はあまりお勧め出来ません。

あと購入するタイミングで最もお勧めなのは、生後3ヵ月以内の子犬と子猫を同時に購入する事です。
小さいうちに一緒に育つと異種間でもまるで兄弟のように仲良く育つ可能性が高いと言えます。

ただし犬も猫も同時に飼うと世話をするのが大変、まずはどちらか片方を飼ってペットの存在に慣れてからもう片方を飼いたいという飼い主もいるかもしれません。
もしくはすでに犬を飼っている状態で、追加で子猫を飼いたいという状況もありますよね。

そんな時は新しく飼う方は必ず赤ちゃんの状態で飼って下さい。
そうすると動物の本能として母性本能が備わっているので、赤ちゃんを世話をしないといけない、守らないといけない存在だと思いやすいのです。
成犬と成猫の状態で対面させるとお互いに縄張り意識があって、その状態から仲良くさせる事は難しいので少しづつ存在を慣らしていくしかありません。

まとめ

犬と猫は仲が悪いというイメージがあり、異種間の多頭飼いは難しいだろうと諦めている飼い主もいるかもしれません。
しかしキチンと条件や状況を整える事が出来れば、犬と猫が仲良く一緒に生活をともにする事は決して不可能ではありません。
ただし猫と仲良く出来る犬種と選び、優しく穏やかな性格の犬を選ぶようにして下さい。

そのうえで飼うタイミングは、お互いに生後3か月未満がベストですが、そうではない場合は片方がまだ赤ちゃんの状態で母性本能をくすぐられる状況で対面させましょう。
対面させる時は必ず上手くいかない事も考慮して、しっかり飼い主が様子を見れる状態で一緒にさせて下さい。
無理に一緒にさせると、お互いにストレスを与えあいどちらの健康状態も損なうなんて事にならないように注意が必要です。