犬の殺処分状況

毎年たくさんの犬たちが、保健所などで殺処分されています。その中には無責任な飼い主に連れてこられた犬もいます。そのような不幸な犬を減らすために、犬を飼うことのハードルを高めるべきだという意見もあります。飼い主たちも適切な知識を身につけるようにしましょう。

毎年たくさんの犬たちが殺処分されている

行き場所がなくなったたくさんの犬たちが、毎年殺処分されています。殺されていく犬たちはとても苦しみながら死んでいきます。「飼えなくなったから」などという無責任な飼い主の事情で殺されていく犬も多いです。

平成26年には1年で21539匹もの犬が殺されてしまいました。1日に270匹も殺されていることになります。

動物愛護センターや保健所などに引き取られた犬と猫の総数は150000匹にも上ります。驚くことにそのうちの2割が飼い主によって連れてこられたものです。さらにその中には乳離れしていない子犬や子猫もたくさんいます。

殺処分される犬を減らすためにペット料金の値上げや税金の義務化

こうした事態を改善するためには、まずはペット料金の値段を引き上げることが効果的という意見もあります。気軽に犬を飼えない状況になれば、殺処分されてしまう犬も減るかもしれません。また、犬を飼うことに税金をかけるべきという意見もあります。

熊本市では犬の殺処分0を実現した実例もあります。処分場に持ち込まれた犬の飼い主たちに対して、熱意のある説得を試みたり、懸命な里親探しによって実現させることができたようです。

ドイツでは犬を飼うことに税金がかけられています。また、殺処分場も存在しません。ハンターが野良猫や野良犬を駆除してもいいため、決してペット楽園とは言えませんが、それでも飼い主の意識は非常に高いです。

飼い主にも「犬を飼う」ための知識を身につけてもらう

犬を購入する前に、飼い主に犬に関する知識を身につけてもらい、資格を取得させるのはどうかという意見もあります。犬を飼う前に犬について知ることで、殺処分される数は減るかもしれません。

しつけや病気、習性、避妊・去勢手術などに関する知識を飼い主に身につけてもらいます。セミナーなどを開催されていることもあるので、「犬を飼いたい」と思う人は行ってみましょう。

犬の殺処分を減らすためには、飼い主の意識が大切です。飼う前にインターネットや書籍、講座などで犬について学ぶようにしましょう。

野良犬に餌をやらない

犬の殺処分数を減らすためには、野良犬に餌をやらないことも大切です。飼うつもりもないのに懐かれてしまうと厄介になるためです。

必要以上に産ませない

飼い犬に子犬を必要以上に産ませないことも重要です。子犬を見たいからという理由だけで産ませて、結局育てられずに殺してしまってはかわいそうです。

子犬を作らせるのであれば、里親探しまできちんと責任を取るつもりでいましょう。また、誤って妊娠してしまうことを防ぐために、去勢・避妊手術もしてあげましょう。

法律の厳罰化

現在でも動物愛護に関する法律は存在します。現在では罰金や懲役などが命じられることもあります。過去には犬や猫を虐待したとしてニュースになった例も存在しました。

購入した犬を最後まで飼ってあげられなかった飼い主も罰せられるようになるかもしれません。法律の厳罰化が進めば、犬を飼う際の責任感も強くなります。そのため殺処分される頭数も減ることでしょう。

まとめ

現在の日本の制度を変えて、犬たちの殺処分数を減らすのは非常に難しいとされています。数百年後でも無理ではないかとさえ言われているほどです。

現段階では一人一人の小さな取り組みが重要になっています。犬を飼う前に適切な知識を身につけ、「犬も大切な家族である」という認識を持つようにしましょう。生き物を大切にする意識が高まれば殺処分数も減ります。今できることを少しずつやっていくようにしましょう。

ペットを飼う際には、ペットショップなどから購入するのではなく、里親募集の子から引き取ることも、殺処分数を減らすことに貢献できます。また、飼ったら最後まで責任をとって、大切にしてあげましょう。