噛む

しつけが十分に行き届いていない場合、飼い犬が誰かを噛んでしまうということがあります。
その時に責任はどうなるのか、ちゃんと知っておかないと思わぬ事態になるかもしれません。
そこで犬の咬傷事故について簡単にご紹介します。

噛むという行為は時に大きな咬傷事故を引き起こす

噛み癖がある犬は一定数いるというのは確かな事ですが、そういう犬は家族や他人に怪我を負わせる可能性があります。
特に他人を怪我させてしまった場合には、大きなトラブルに発展します。
咬傷事故を起こさないために、人やほかの犬との接触を避けるというのも一つの手ではあるでしょう。

ですが、その結果犬の社会性が狭くなってしまいます。
そのため、しつけでしっかりと噛み癖を治す必要があります。
また噛み癖がなかったとしても、ケンカを止めようとしたり、小さな子供が近づいて行ったりして犬に刺激を与えると、咬傷事故につながることもあります

咬傷事故を起こしてしまった場合にはどうするのか

日本の法律では犬は「物」として扱われます。そのため犬が法的責任を負うということはありません。
では責任はだれに行くかと言えば、飼い主です。
民法の中にも「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。

飼い犬が人間やほかの犬を噛んで怪我させたり、死亡させたりした場合には、傷害罪や過失傷害罪、過失致死罪、器物損害罪などの刑事責任や、民事責任、行政責任などで裁かれ、被害者に対して治療費や慰謝料を負担することになります
特に顔に残るような傷を負わせた場合や、切断などの大怪我を負わせた場合には慰謝料などの額は膨らみ、1119万円の支払い命令が下された判例もあります。

飼い犬の管理はしっかりやりましょう

予期せぬ事故を起こさないためには、常識的で基本的なことを守ることが大事です。
例えば散歩のときにリードを付けるようにしましょう。
それから、ほかの犬に近づいたり、触れたりするときには飼い主に声をかける必要があります。
これが出来ていない人も多いですが、守らずに事故を起こしても文句は言えないでしょう。

他にも気を付けるべき点として、室外で買っている犬は人と接触しないようなところにつなぐこと、注意書きをしておくこと、古い首輪やリードは使わないことなどがあります。

あらゆる可能性を考える

子どもなんかは何も考えずに犬に近づきます。
外から触れられる位置につないでおくと、子供に怪我をさせる可能性がありますから、外から簡単に見られない位置につないでおくとか、室内で飼う場合にはとくに戸締りに気を使うなどの対策が必要になります。