犬にとっておいしいご飯とはどういうものなのでしょうか。そんなことを考えたことがある飼い主さんも多いかと思います。どうせならば愛犬においしいものを食べさせてあげたいけれど、人間のおいしさと犬のおいしさは違うものです。
では、犬にとってどういうものがおいしいのでしょうか。それを知るためには、犬の味覚について知っておくといいでしょう。
犬の味覚は人間の五分の一しかない
味を感じるのは味蕾(みらい)という細胞です。
人間ではこの細胞が約1万個もあり、より複雑な味の違いを楽しむことが出来ます。
一方で犬は約2千個しかないと言われています。つまり、人間の五分の一の味覚しかないのです。
とはいえ、全く味を感じないわけではないので、ちゃんと食べ物の好みもあります。生後6か月までの食生活が、犬の嗜好性に影響を与えるともいわれているようです。生まれつきの個性もあるかもしれませんね。
犬は甘味も感じられる
猫は肉食性なので甘味を感じないといわれますが、犬は雑食性なので甘味を感じることが出来ます。犬に分かる味は、甘味、酸味、塩味、苦味であり、人間には分からない水味(イオン濃度)と呼ばれる味も感知できます。
犬がもっとも好みやすい味は甘味であり、乳糖や果糖を好みます。またそれ以上に、甘いアミノ酸が好きで、肉や魚、乳製品やパン、ビスケット、トウモロコシや大豆といった食物が大好きなようです。
甘味の次に敏感なのは酸味だと言われています。
その一方で、鈍感なのは塩味です。苦味はほとんど感じないようですが、一部嫌うことが多いようです。
どうして味にこだわらないのか
犬にとって大事なことは味ではなく食べられるかどうかなので、味覚よりも嗅覚が発達しているようです。また、人間とは違い、犬の唾液には消化酵素が含まれていないため、よく噛んで食べるという必要がありません。だから、味はさほど重要ではなかったと思われます。
塩味を感じにくいのにも理由があります。
先述したように犬は雑食性ですが、肉食であった頃の名残も多くあり、やはり肉や魚を好みます。そのため、人間に比べて塩分の摂取は重要ではなく、塩分を体外に排出する調整が重要です。
そのため、水の塩濃度に対して敏感になり、人間には分からない水の味というものを感じることが出来るのです。
好みは犬それぞれ
このように、犬の味覚は人間とは違いますし、好みの傾向もあります。しかし、具体的に何が好きなのかは犬によって違います。愛犬の好みを知るためにも、さまざまなエサやおやつを試してみるといいかもしれませんね。