危険性と不要性

愛犬の健康を考慮すると、混合ワクチンの接種自体は必要なモノですが、毎年接種する必要はありません。
アレルギー反応や健康を損なうリスクを考慮すると、抗体検査で抗体の残りを調べ3~5年に1回のペースで混合ワクチンの接種をすれば十分なはずです。

そもそも混合ワクチンに病気予防効果があるのか?

愛犬が病気になって辛い思いをしないように、毎年混合ワクチンを接種している飼い主もいるかもしれません。
かかりつけの獣医から混合ワクチンを接種した方がいいと勧められたら疑問を持たずに、獣医の言葉を信じますよね。

しかしながら世界的にみると、混合ワクチンを毎年摂取する事を推奨している国は少ないのです。むしろ混合ワクチンは、再接種する場合は3年以上間隔をあけて摂取した方がいいとされています。
その理由はワクチン接種とは、確かに病気を予防する行為ですが体内に異物を入れる行為でもあります。

そのためワクチンを接種する事で愛犬に副作用が生じる可能性もゼロではありません。特に怖いのがアナフィラキシーなどのアレルギー反応で、毎年混合ワクチンの接種を受けていたらアレルギー反応で出るリスクが高まってしまいます。

ちなみにワクチンのうち、狂犬病のワクチンは年に1回の予防接種が法律によって義務づけららているためワクチンを接種する必要があります。
ですがそれ以外のワクチンの予防接種は、義務ではありません。

ただし日本では多くの動物病院が1年に1回の混合ワクチンの接種を推奨し、その影響でペット可のホテルやドッグランを利用する場合に1年以内に混合ワクチンを接種している事が利用の条件となっています。
そうなってくると、混合ワクチンを接種しなければ、ペットと旅行やドッグランを楽しむ事が出来ない現状なのです。

もちろん、ワクチンの予防接種を受ける事でその病気に対する免疫を獲得するため、病気を予防する効果は高いと言えます。
しかし細菌やウイルスも年々変化するため、病気予防効果は100%ではありません。

混合ワクチンの原材料について知っていますか?

混合ワクチンとは、現在9種類のワクチンが開発されていますが、犬ジステンパー、犬アデノウイルス、犬パラインフルエンザなどに対応する5種類の組み合わせが一般的に混合ワクチンと呼ばれるものです。
愛犬にとって、混合ワクチンの原材料でアレルギー反応が起こる可能性があるため、愛犬のアレルギーを正しく知っておく事と、混合ワクチンを接種する時に、獣医に愛犬のアレルギーについて伝えるようにして下さい。

副作用はもちろん、健康被害の可能性あり

病気を予防するための混合ワクチンですが、実は混合ワクチンを接種する事で健康を害する可能性があります。
まず1番多いのは、アレルギー反応が出る事です。
アレルギー反応は、ワクチンを接種してから数分~数時間以内に起こります。

顔面腫脹、痒み、蕁麻疹、嘔吐、下痢、発熱、食欲不振などの症状が現れたら注意が必要です。
また混合ワクチンの健康被害でもっと怖い事は、副作用ではありません。
実は混合ワクチンを接種する事で、他の病気を誘発するリスクがあります。

例えばワクチンを接種した事が原因で、1週間で死亡してしまった犬もいます。
ワクチンを接種した事で免疫が低下し、がん細胞が活性化したために、がんに犯されて死に至ったのです。
他にも、ワクチン接種をした場所に悪性の肉腫が生じてしまうケースもあります。
それぐらいワクチンの原材料には、病気の発病を抑えるためにリスクが高い成分が含まれている事を飼い主は知っておく必要があります。

外国では「犬のワクチンは3~5年に1回」を推奨している国も

日本では、獣医から毎年混合ワクチンを勧められる飼い主も多いかもしれません。
しかし海外では日本のように、毎年混合ワクチンを接種する例はあまり多くありません。
確かにワクチンが必要なケースもありますが、ワクチンが原因で健康を損ねるケースも決して珍しくないためです。

そのため抗体検査を行い、まだ免疫が残っている場合は混合ワクチンの接種は行いません。そして抗体検査で免疫を確認すると、3~5年に1回のペースで混合ワクチンの接種は十分である事が分かってきています。
つまり日本の毎年、混合ワクチンを接種する状況にもっと疑問を持つ必要があると言えます。

抗体検査もせずに機械的に毎年ワクチン接種するのは危険

実は世界小動物獣医師会では、犬が接種するべきワクチン3種をコアワクチンと規定しています。
そしてこのコアワクチンは、1歳までの子犬の頃にきちんとワクチン接種を受けていれば、体内には強固な免疫が維持されているので、毎年混合ワクチンを接種する必要はないと唱えています。

コアワクチンの免疫が維持される期間は、個体によって異なりますが3~5年程度とされています。
そのため毎年混合ワクチンを接種する必要性はなく、3年以上間隔をあけて接種するべきだとガイドラインで発表しています。
ワクチンの原材料には、アレルギー反応を引き起こす成分も含まれているので、接種回数は少ない方が安全だとされています。

だからこそワクチンは、毎年摂取するのではなく、抗体検査を行ってワクチンの接種回数を減らすべきです。
抗体検査とは、犬の体内に抗体がどれだけ残っているのか調べる検査の事で、採血を行い30分程度で検査結果が分かります。
抗体が十分に残っていれば、ワクチン接種は不要になるので、その年は抗体検査証明書が発行され、ホテルやドッグランなどの施設が利用出来るようになれば、何も問題はなくなるわけです。

犬の混合ワクチン = ペット医療業界の経済効果(ビジネス)

混合ワクチンを接種するリスクは当然獣医であれば知っているはずです。
そして世界的に見れば、混合ワクチンを接種する頻度は3~5年に1度で十分だという事を知らない獣医もいないでしょう。
そんな状況で、なぜ日本は現在も毎年混合ワクチンを接種する事を獣医が推奨しているのでしょうか?

実はあまり褒められた事ではありませんが、犬の混合ワクチンの接種がペット医療業界の経済効果が非常に高いからです。
ワクチンの原価自体は数百円と非常に安いのに対して、混合ワクチンの接種は1万円前後の費用が発生します。
つまりワクチン接種を受ける犬が増えれば増えるほど、その動物病院は儲かるという仕組みです。

また日本のペット可のホテルやドッグランなどの施設でも混合ワクチンの予防接種1年未満ではないと、利用出来ないなどのルールがあるため、飼い主も混合ワクチンの接種が義務だと勘違いしています。
ですが義務なのは狂犬病のワクチンのみで、他の混合ワクチンに関しては毎年予防接種を受ける事は義務ではありません。

まとめ

飼い主が大事な家族である愛犬が病気にかからないようにと、毎年律義に混合ワクチンの接種を受けているかもしれません。
しかしその行為は愛犬の病気を予防するどころか逆に病気のリスクを高める危険がある事を知っておく必要があります。
混合ワクチンを毎年摂取すれば、接種回数が増えるので、年々アレルギーが生じるリスクが高まってしまいます。

また混合ワクチンには、免疫力を低下させて病気を誘発する作用まであると言われています。
つまり本当に愛犬の健康について真剣に考えるのであれば、混合ワクチンは毎年受けるべきではありません。
ただ病気の感染が不安という飼い主がいれば、混合ワクチンを接種させる代わりに、毎年抗体検査を行うようにして下さい。

そして抗体検査の結果、抗体が減ってきていたら3~5年を目安に混合ワクチンを接種するようにして下さい。
利益重視の動物病院だと混合ワクチンを毎年接種した方がいいと推奨してくるかもしれません。
ですが混合ワクチンを毎年接種する事を推奨してくる動物病院は正直信用する事が出来ません。

ちゃんと愛犬の健康について真摯に考えてくれる獣医は、3~5年に1回のペースで混合ワクチンの接種をする事を推奨してくるはずです。