飼ったばかりの頃は子犬だった愛犬であっても、いつかは年を重ねて老犬になるものです。いつまでも元気でいて欲しいと飼い主は願うものですが、老いていけば介護が必要になるのもまた現実です。
ここでは、老犬介護についての実情や必要知識についてご紹介します。愛犬と暮らしている以上、いつか訪れる未来であることを忘れずにご確認ください。
老犬介護の実情について
犬の寿命は犬種によっても様々ですが、およそ12~15歳くらいが平均であると言われています。1990年代には平均で8歳くらいであると言われていたので、かなり伸びていることが分かります。
それはとても喜ばしいことではありますが、長生きしているからといって若い頃と同じように過ごせるというわけではありません。老化に伴い、愛犬たちの身体にも変化が訪れます。そして、自分で立って歩けなくなったり、トイレを失敗するようになるといった問題が発生し、介護が必要になるのです。
大型犬であると、介護が必要になった時に腰を痛めてしまう飼い主さんもいるそうです。
病院通いになると、通院も頻繁になり、時間も費用もかかってしまうのが現実です。こうしたことにどれだけ責任を負えるのかということも、愛犬から安らぎをもらってきた飼い主さんの力量が試されるところです。
飼い始める頃は子犬であっても、いつか老犬になり、介護が必要になるということをしっかりと頭に入れておきましょう。今は若々しくて元気であっても、いつかは介護の日々が待っているかもしれません。
それまでに、老犬介護をしている人の様子や、何が必要で、どのようにお世話をすればいいのかを覚えておくことも大事ですよ。
老犬介護のノウハウは必須!最後まで責任を持ってお世話しましょう
老犬介護で考えておかなくてはならないことはたくさんあります。
まず、トイレと食事です。老犬になるとトイレを失敗する回数も増えていきます。老化によるトイレの失敗は叱って治るものではありません。おむつを用意してあげるなど、人間側が配慮してあげることも大事なことです。
食事も若い時のようにはいかなくなります。食欲不振がある場合、栄養バランスが偏ることでどんどん弱ってしまうきっかけにもなりかねません。愛犬が食べられるものを探すようにしましょう。
ご飯の姿勢もつらくなってくるのも悩みの一つです。ごはん台を用意してあげるなど、愛犬が食べやすくなるように工夫しましょう。
散歩をする元気がある場合は、適度に散歩させましょう。歩いて脚力を維持することは、健康を保つ秘訣にもなります。無理はいけませんが、出来る限り散歩は続けるようにうまくサポートしてあげましょう。
足の力が弱く、寝たきりになってしまった場合は床ずれに注意します。長時間、マットや床に寝たきりのままですと、皮膚や筋肉が壊死してしまいます。これが床ずれです。
寝たきりの愛犬の体重が一か所に集中しないように定期的に寝返りをさせます。体圧分散マットを使用するのもいいでしょう。
歯にもトラブルが出やすいのも老犬の特徴です。お口のケアは食欲にも繋がりますので、歯磨きを欠かさずに行いましょう。歯周病が進行してしまった場合は、無理に飼い主さんだけで対処するのではなく、獣医さんに相談するといいでしょう。
シャンプーは老犬の身体には負担になってしまいますので、ブラッシングをメインにするようにしましょう。血行をよくする効果もあるので、おすすめです。
また、老化にともなって無駄吠えや夜鳴きをするようになることもあります。
認知症が原因の場合は、獣医との相談のもと適切な介護をすることで治まる可能性もありますが、そうでない場合は対処が難しいというのも心配なところです。
もしも、近所トラブルになりかねない時は、老犬介護施設に預けることも視野に入れるといいでしょう。
老犬介護で感じる疲労や辛さとの付き合い方
介護というものは終わりが見えません。
いったいいつまで続くのかという疲労もあれば、いつかは終わってしまうという不安などで暗い気持ちになってしまうものです。そうした気持ちでいると、愛犬にも不安を与えてしまうかもしれません。
ここで重要なのは、飼い主さんが一人で抱え込まないということです。
介護によるストレスは上手く発散させ、暗い気持ちを引きずらないようにするという意識も必要になってきます。また、同じように悩みを抱える人と話をするなどといったこともいいでしょう。
家庭の状況や健康状態などと相談し、もしも一人で抱えきれないと判断した場合は、無理をせずに老犬介護施設に預けるというのも一つの手です。
老犬介護によってノイローゼとなり、追い詰められた飼い主さんの中には、愛犬を保健所に引き渡してしまう、動物病院で安楽死させてもらうといったことが頭をよぎることもあるそうです。
しかし、愛犬が不治の病で苦しんでいる場合でないならば、安楽死や保健所といった選択はきっと飼い主さんをいつまでも後悔させることになるはずです。
犬が好きで飼い始めたならば、なおさらのことではないでしょうか。ですので、どんなに辛くとも「老犬介護」を理由に安楽死や保健所といった残酷な選択をすることはやめましょう。
愛犬の老後も考えましょう
愛犬が元気でいるうちは、その老後のことや介護のことをうまく想像できませんよね。しかし、老犬介護について調べておくことで、実際に介護が必要になったときに戸惑わずに済みます。ノウハウを頭に入れ、最後まで責任を持って愛犬の老後を見守りましょう。