病気

時代が進み医療が進歩していくうえで、様々な病気の治療法が確立されています。
ですが、いまだに不治の病として、治療方法が見つかっていない病気があります。
それは犬の世界でも同じことで、致死率100%の病気が愛犬を襲うかもしれません。

現代医学でも直せない犬の不治の病

「犬の」と書きましたが、今回ご紹介する病気はウイルス性の感染症で、ズーノーシス(人獣共通)です。
つまり犬以外の動物含め、人間も感染する可能性があります。
とくに今回紹介するのは、致死率100%と言われている病気です。

愛犬だけではなく、自分の身を守るためにも知っておいてください。

狂犬病

名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
狂犬病は狂犬病ウイルスに感染することで発病する、人獣共通の病気です。
犬、ヒト以外にも哺乳類すべてに感染の可能性があります。

特徴的な症状として涎を垂らして錯乱する、水を恐れるなどがあります。
具体的には不安や異常行動、食欲不振などに始まり、発熱、頭痛に加えて筋肉の緊張や幻覚、痙攣などが次第に起こるようになっていきます。
最終的には昏睡状態になり、衰弱して死に至ることになります。

狂犬病の動物にかまれたり、舐められたりすることで感染します。
傷口や目・鼻・口からウイルスが侵入します。
人から人への感染はありませんが、犬以外にも猫やキツネ、蝙蝠、リスも感染源になります。

潜伏期間は犬で2~8週間、人間で1~3か月と言われていますが、人の場合数年後に発病という例もあります。
治療方法は現状ワクチン接種による予防しか存在せず、仮に狂犬病を持つ動物にかまれてしまった場合には、その日のうちにワクチンを打ってもらう必要があります。
ワクチンを打たずに生き残った例が1件だけ存在するが、それを期待するのは無謀だと言えるでしょう。

リッサウイルス感染症

リッサウイルスは日本ではなじみがないかもしれません。
症状としては狂犬病と同じようなものだと言われています。
と、言うのも狂犬病ウイルスと似たような種類のウイルスだからのようです。

日本での感染報告はなく、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカで計9件の感染が報告されました。
リッサウイルスはこのウイルスに感染したコウモリにかまれて発症します。
ですから、感染が報告されている地域では、コウモリとの接触を避けるようにしましょう。

潜伏期間は狂犬病ウイルスと同程度だと言われていますが、やはり発症までに時間がかかることがあり、コウモリからかまれた後、27か月後に発症したという記録があります。
現在のところ有効な治療法はなく、ワクチンも存在していません。
リッサウイルスはいくつか種類があるようで、いくつかのものは狂犬病ワクチンで発症予防及び予防効果が期待できますが、中には予防効果がないものもあるそうです。

国内ではほぼ感染しないが安心だとは言い切れない

リッサウイルスはもちろん、狂犬病ウイルスも教科書に載っているくらいで、実際に日本で感染するということはいまはありません。
具体的には昭和31年を最後に、日本での狂犬病の感染は確認できていません。
日本のほかにはイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、北欧の一部などがありますが、逆に言うとその他の地域では感染する恐れがあります。

特にアメリカのリスは話に聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本国内で感染することはありませんが、外国で感染し日本で発症したという例は昭和31年以降にも数例あり、いずれも発症者はなくなっているそうです。
リッサウイルス感染症はコウモリの唾液からでも感染する可能性があるため、コウモリとの接触を避けること以外にも、落ちている木の実を食べさせないようにすることが必要になります。