犬が食べるものには、人間と同じように食べても大丈夫なものと、与えてはいけないもの、与えられるとしても注意しなければならないことがあります。
与えてはいけないことを知らずにワンちゃんに食べさせてしまい、体調を崩した例もありますので、飼い主さんとしてはしっかり覚えておきたいことです。
今回は、その中でも幾つかのフルーツについて取り上げてみます。
目次
犬にフルーツを与えるメリットと注意点
犬は、基本的に甘いものが大好きと言われています。フルーツは甘いものが多いですし、ワンちゃんが喜んで食べるものの一つです。
食物繊維やビタミン、カリウムといった栄養を含むフルーツは、量さえ守れば、犬の健康にもよいとされています。
ですが、すべてのフルーツが無条件にOKというわけではなく、
- アボガド
- さくらんぼ
- ぶどう(レーズン含む)
- いちじく
などについては、犬の体にとっては胃との相性に問題があることや、下痢や吐き気に見舞われるなど、中毒性のあるものとして知られています。
愛犬が食べたがることもあるかもしれませんが、欲しがっても与えないようにしましょう。
【アレルギーにも注意】
また、OKとされるフルーツでも、犬の体質によってはアレルギー反応を示す可能性があります。
初めて与える場合は、
- ひとまず少量を与え様子を見る
- 万一の際、動物病院の休診日とぶつからないように注意
など、慎重になってください。
愛犬のアレルギーについて詳しく知っておきたい人は、動物病院でアレルギー検査をしてもらうのもよいでしょう。(結果が出るまでに1~2週間を要します)
以下、与えてもよいとされる各フルーツについては、アレルギーを起こさないことを前提にしたものです。
もし愛犬の体に合わないことがわかったら、無理に与えることはやめてください。
愛犬にバナナを与えても大丈夫?
バナナは、量に気をつけて与えれば、基本的には大丈夫とされています。
栄養価が比較的高い果物としても知られていて、ビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCといった豊富なビタミン類や、カリウムなどのミネラル成分も含まれています。
食物繊維もありますから、腸内環境を整えやすくなり、免疫力の向上にも役立ちます。
愛犬にバナナを与える時の注意事項
バナナのカロリーは、1本で77kcal程度です。
犬の1日のカロリー摂取量は体の大きさによって変わりますが、体が小さなワンちゃんになればなるほど、人間のカロリー摂取量との差は大きくなります。
人間が食べるのと同じ感覚で与えてしまうと、食べ過ぎや栄養のかたよりなどの心配が出てきますので、食事量(ドッグフード)とのバランスも考えて、量を調整してください。
愛犬にいちごを与えても大丈夫?
イチゴは、ちょっとしたおやつとしても、大きさがちょうど良さそうです。
ビタミンCをはじめ、カルシウム、マグネシウム、カリウムといった成分は、犬にとっては特別問題のないものですので、基本的には与えても大丈夫です。
ただし、こちらも与えすぎに注意が必要です。
愛犬にいちごを与える時の注意事項
イチゴには、キシリトールが含まれています。
人間にとっては問題のない成分ですが、犬にとっては摂りすぎると血糖値が下がる原因となり、注意が必要です。
犬の大きさによっても違いはありますが、小さなワンちゃんについては1日1個程度が最大量と思ってください。
愛犬にみかんに与えても大丈夫?
みかんも、基本的にワンちゃんに与えても大丈夫なフルーツです。
ビタミンCが豊富なことに加え、水分も多く含まれているので、食欲が無いときの栄養補給や、夏場のようなビタミンCや水分が体から失われやすい時期にもおすすめです。
愛犬にみかんを与える時の注意事項
愛犬にみかんを食べさせる前に、必ず皮と種、みかんの実を覆っている薄い袋は取り除いてください。
この薄い袋は、犬にとっては消化しにくいもので、体調を崩す原因にもなります。
また、与えすぎにも注意してください。食べ過ぎたことで下痢をしたり、体が冷えてしまうことがあります。
フルーツを使用した犬用手作りおやつ
愛犬がフルーツを食べても問題ないということであれば、ちょっと一工夫して手作りおやつにしてあげるという方法もあります。
☆バナナクッキー
【材料】
- バナナ(1本)
- 小麦粉(100g)
- 水(つなぎ用。様子を見て大さじ2程度)
【作り方】
- 小麦粉に水を入れ、混ぜる。
- バナナの皮をむき、フォークなどを使って実をつぶす。
- 1と2を合わせ、しっかり混ぜて生地をつくる。
- 生地を伸ばし、クッキーの型でとる。または犬の食べやすい大きさに切り分ける。
- 天板にクッキングシートを敷き、4を並べる。
- あらかじめ180℃で予熱したオーブンで12分程度焼く。(時間はオーブンの火力によって調整してください)
- 冷ましてからワンちゃんに与えてください。
【おやつを与える注意点】
犬のおやつは、ドッグトレーニングでのご褒美としてあげたり、遊びの一貫として与えたりする役割を果たす意味合いが強いものです。
一度に食べ過ぎるのもよくないですし、食事とのバランスも大切です。
せっかく愛情こめてつくったものですから、それで体調を崩してしまうことのないよう、しっかり管理してあげてください。
共通することは「量の与えすぎに注意」
いかかでしたでしょうか?
飼い主さんは、愛犬がどのフルーツを食べて大丈夫かを、まず把握しましょう。
そして、どのフルーツにも共通しているのは、与えすぎに注意しつつ、食事とのバランスも考えながら量を決めることが前提です。
最後に、1つ追加させてほしい注意点があります。
【もう一つの注意点】
飼い主以外の人から食べ物を与えられることについても、充分に注意してください。
犬が食べてよいもの、ダメなものは、犬を飼って初めて知ったという人も多く、ペットを飼っていない人に理解してもらうには、なかなか難しい一面があります。
飼い主の目が届かないところで、ワンちゃんによかれと思ってあげたものが、実は「犬が食べてはいけないもの」だったという怖い事例もあります。愛犬のしつけはもちろん、不用意に目を離すことのないように気をつけましょう。