好奇心旺盛な犬にとって、角膜潰瘍は非常に起こりやすい疾患です。しかし、この角膜潰瘍を放っておくと、最悪の場合、失明にもつながる恐れがあります。犬を飼う上で、角膜潰瘍について知っておくことは絶対に必要です。
今回は、角膜潰瘍の原因から対処法までをしっかりとご紹介したいと思います。知識をつけて、愛犬を守ってあげてください。
目次
角膜潰瘍は病気ではありません!
角膜潰瘍は一見すると病気のように思えますが、実は病気とは少し違います。角膜潰瘍は、目の表面に外傷ができることにより起こる外傷性の疾患なんです。角膜とは通常、目の表面を覆っており、目の中に光を取り込む補助をする役割があります。
角膜潰瘍は、この角膜に外傷が起こることにより発症します。この外傷から殺菌が入り込むことにより、目の表面に炎症が起こることが多いんですね。これを称して角膜潰瘍といいます。
角膜潰瘍では、愛犬にどのような症状が起こるのでしょうか?
では、角膜潰瘍では愛犬にどのような症状が起こるのでしょうか?症状を知ることで、愛犬の変化から角膜潰瘍になっているか否かを判断することができますね。まず、角膜潰瘍の代表的な症状として、目に異常が起こるため、愛犬は目をよく気にするようになります。
しきりに目をこする動作があったり、目やにや涙の量が増えてきた場合は要注意です。また、角膜潰瘍は目の表面を観察することでも見つけることができます。角膜潰瘍の場合、目の表面に凹凸ができていたり、目の表面にわかりやすい形で血管が走っていることがあひます。
このように、角膜潰瘍は愛犬の動作や外見から見つけ出すことができます。角膜潰瘍は初期こそ大きな事態にならないこともありますが、傷口から細菌が入り込むことにより、最悪の場合は失明することもあります。早い段階で角膜潰瘍に気づいてあげることが、何よりも愛犬のためになります。
角膜潰瘍の治療法について
角膜潰瘍の治療法は、初期の段階と重度の段階で大きく異なります。初期の段階であれば、角膜の再生を促す点眼薬を使う治療が一般的になります。また、点眼薬には、抗菌作用があるものも使われ、細菌感染を防ぐ役割もありますね。
角膜潰瘍が重度の段階になると、点眼薬だけでは十分な治療効果が期待できなくなります。その場合は、損傷した角膜を外科手術により取り除き、人工レンズを装着するような措置が必要となってきます。しかし、その手術は高度なものであり、簡単に受けることができるまのではありません。
そのため、角膜潰瘍には早い段階で気がつき、点眼薬を使っと治療をしていくことが求められます。
犬種により角膜潰瘍になりやすいものと、そうでないものがいます
角膜潰瘍は、角膜への外傷により起こる疾患です。そのため、角膜潰瘍になりやすいか否かは、犬種による外見的な特徴と密接に関わっているんです。例えば、目が大きかったり、鼻先が短いことにより目に外傷を受けやすい形状の犬は、どうしても角膜潰瘍になりやすくなってしまいます。
目が大きければ、目を怪我する恐れも高くなりますし、鼻先が短かければ、何かの匂いを嗅ぐなどの動作をする時にやっぱり目を損傷しやすくなってしまいます。具体的な犬種でいいますと、チワワ、シーズー、ボストンテリア、パグ、フレンチブルドッグ、ブルドックなどは比較的角膜潰瘍の恐れの高い犬種ということができます。
これらの犬種を飼っている方は、常日頃から愛犬の角膜潰瘍について気をつけてあげてください。
角膜は初期対応こそが大切です!
このように角膜潰瘍は外傷により起こるものであり、日々の生活を気をつけていても、どうしても愛犬に起こってしまう恐れのある疾患です。そして、最悪の場合には愛犬の失明にまで繋がる恐ろしいものでもあります。しかし、角膜潰瘍は初期の段階であれば、点眼薬を利用して比較的簡単に治療することができるのも事実です。
そのため、愛犬の目の状態には常に気を配り、角膜潰瘍かと思われる症状があった場合は、すぐに専門の獣医の診察を受けるようにしてくださいね!