獣医の医療ミス

本来であれば起こってほしくないもの。それが「医療ミス」ではないでしょうか。
基本的に獣医を信頼している方も多いとは思いますが、そうしたミスの事例や具体的なことについて考えていきたいと思います。

獣医の医療ミスで命を落とした犬たちの事例

まずは具体的な事例について見ていきましょう。
犬の手術時の話です。
人間にも通じる話なのですが、麻酔を使用する手術を行う場合、稀にアレルギー反応を起こす場合があります。
だからこそ、手術前には必ず説明が行われます。

例えば、事故が起こってしまう可能性などがそれに当たります。そのうえで同意書にサインをするという事になります。
ですから、万が一の場合にも一般的には大きな事象とはなりにくいのです。
しかし、この説明の際「大丈夫」だといった獣医師の一言が後の問題につながるのです。

術後の犬は以前の容姿とは全く異なってしまったのです。
それでは飼い主側にとっても「手術が成功した」とは思いにくいでしょう。
こうした事柄から医療ミスであるという発展をしてしまうのです。

また、実際に裁判に発展したケースもあります。
医療ミスをしたという相手は犬で、支払い命令を受けたのは治療に当たった獣医師でした。
医療過誤ということで130万円の支払いという結果が東京地裁で行われました。
こちらは、メディアなどでも取り上げられましたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

もしも被害に合ったら?「獣医療過失」はどう対処すればいい?

まずは先の例で言えば「説明」に関して十分に説明を受け納得したうえで同意書にサインをするという事です。
獣医師の説明ともなるとやはり「プロ」ですからそれらを疑わない。仮に疑念を抱いてもそれに関して話をしないという方も少なくありません。

しかし、獣医師も人間ですし、第一飼い主である本人が納得しない状況のまま手術へと進む・治療へと進むことはおすすめできません。
簡単に言えば、獣医師の言葉をうのみにするのではなく、少しでも疑問や質問などがあればその都度話をしていくという事が大切になってくるのです。

過失が見受けられたために裁判をという場合ですが、訴訟額が30万円以下の場合には弁護士を通さずとも自ら裁判所に損害賠償請求訴訟を起こすことが出来るのです。
いわゆる「少額訴訟制度」というものです。

愛犬の命を守るために

何より大切なのは愛犬の命を預ける場所となる動物病院選びです。
近いからなどと言う理由で選ばれる方もいらっしゃるかと思いますが、慎重にそして本当に信頼を置ける病院を利用するようにしていただければと思います。
今では、インターネットなどを利用して口コミを見ることもできますし、今までの手術例や治療例を具体的に提示している動物病院も増えています。

また、実際に通ってみて十分に話をして見ると言うのも良いでしょう。
そして、少しでも違和感があれば質問をしたり、場合によっては人間でいうところのセカンドオピニオンを受けてみると言うのもまた安心できる・医療ミスを防ぐことが出来る方法ともいえるのではないでしょうか。

そして、残念ではありますが、医療ミスがあっても認めようとしない獣医がほとんどです。
過失を認める獣医師は非常に少ないのです。
こちらも、人間の医療現場と近しいものがあるかと思います。
いざ裁判をと思い、弁護士を雇っても、動物医療の専門知識は乏しいのです。

法律の専門家であっても動物医療の専門家ではないというわけです。
このことから、医療ミスを証明させるのはなかなか難しいのが現実になります。
だからこそ、動物病院と・獣医師との信頼関係を持つ必要があるのです。

まとめ

今回は、愛犬の命を預ける獣医師との間に起こる医療ミスについて見ていきました。
被害に遭わないためにもこうした事例を知り、それを避ける方法というものを知っておくことをおすすめしたいと思います。
大切な命を守るために・後悔をしないためにも知っておきたい事なのです。