犬

犬をペットとして飼っている人はたくさんいると思いますが、その愛犬はどうやって迎え入れたでしょうか。
ペットショップだという人も多いかと思いますが、ブリーダーから直接という人もいるでしょう。
広義に見ればペットショップにいる犬の多くはブリーダーからということにもなりますから、今回はブリーダーについてお話していきます。

犬のブリーダーってどんな仕事?

なんとなくその仕事内容を想像できる人もいるとは思いますが、具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか。
ブリーダーは犬の繁殖や改良を専門的に行う人の事です。
特定の血統を守り、次の世代に引き継がせることが主な役目とも言えますが、コンテストに出場させることがメインの人もいます。

ブリーダーには特別な資格は必要ではありませんから、誰でもチャンスは存在します。
動物を販売するにあたっては、保健所に「動物取扱業の届出」の提出が必要です。
逆に言うと、届出さえ出してしまえば、誰でもブリーダーを名乗れるともいえるでしょう。

一般的には専門学校で学ぶか、トップブリーダーの下で直接仕事を覚えるかになると思います。
就職先はペットショップが中心で、年収は300~400万円が相場のようです。
独立し成功すれば、1000万円以上の収入を目指せますが、様々なコストがかかるため、経営の勉強をしておいた方が良いでしょう。

良心的なブリーダーと悪質なブリーダー

ブリーダーを名乗るためのハードルが低いためか、良いブリーダーもいますが、利益しか考えない悪質なブリーダー(産ませ屋)も多いです。利益重視であっても、ちゃんとした環境で飼育しているブリーダーもいる事にはいますが。
ペットショップで子犬が沢山いるのを見て、その親について考えたことがあるでしょうか。
多くの場合、パピーミルと呼ばれるところにいます。

パピーミルとは俗にいう犬の繁殖工場です。
不衛生で管理が行き届いていない、狭いゲージに閉じ込めて、無理な出産をさせ続けているところです。
体に負担のかかる出産を繰り返させた挙句、不要になった種雄や台雌を厄介者扱いして、遺棄したり処分したりします。

こういった方法で利益を得ていても、ブリーダーを名乗ることが出来るわけです。
逆に犬好きで育てる犬種にこだわりや情熱を持って、ちゃんとした環境で飼育している人もいますが、現状少数派にとどまっています。
残念な話ですが、国内では良いブリーダーを探す方が難しいとさえ言われています。

ペットを扱う業者に対する規制

日本は動物愛護の観点から見て、かなり遅れた国となっています。
上記のような事態も、犬に限ったものではなく、ペットショップにいるほかの動物でも似たようなことが行われているでしょう。
こうなってしまった原因として、ペットブームが考えられます。

ペットブームでペットを欲しい人が増えると、需要に合わせて販売動物の数を増やそうとします。
すると大量生産を目的とした悪質なブリーダーが増えることになるわけです。
中でも一番問題なのは、日本に動物保護の法律が少ない事でしょう。

世界の手本とも呼ばれるドイツでは、ペットの陳列販売が禁止されていて、飼いたい場合にはブリーダーやペットショップに予約を取る必要があります。
これにより、衝動的にペットを買う事を防ぐことが出来ますし、売れ残ることもありません。

良いブリーダーを見つけるようにしましょう

犬を飼う場合には、良いブリーダーから直接買った方が良いでしょう。
悲惨な現状を変えるという意味もありますし、健康状態などもブリーダーから譲り受けた方が良いです。
良いブリーダーかどうかは、直接飼育環境を見せてもらえるかどうかで判断できます。

もしも飼育環境を見せてもらえなかったり、劣悪だったりした場合には断って良いでしょう。