警察犬

警察の活動を陰ながら支えてくれている警察犬ですが、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし具体的にどんなことをしているのか、どんな訓練を受けているのか、どれほどの能力があるのかは知らない人も多いでしょう。
そこで今回は警察犬についてお話していきます。

日本の警察犬の歴史とは

日本の警察犬は1912年12月1日にイギリスから、2頭の警察犬を採用したところから始まります。
世界的に見るともっと歴史は古く、19世紀のドイツでその概念が生まれたのだそうです。
日本で警察犬制度がスタートしたのが大正元年で、ラフコリーやグレートデンなどが訓練されました。

犯罪捜査で成果は上げたものの、警察犬に対する理解が進んでおらず、マスコミからも無能扱いされた結果、警察犬制度自体廃止されてしまいました。
その後は警察犬ではなく、軍用犬として研究が受け継がれ、昭和11年にようやく警視庁が直轄警察犬制度の復活を決めます。
その翌年の昭和12年に警察犬訓練所が設立されました。

しかし戦争により警察犬制度は再度廃止され、戦後に警察犬の活動が再開されました。
1968年には東京家畜博愛院に警察犬慰霊碑が建立され、年に2度慰霊祭が行われています。

警察犬はどんな訓練や試験があるのか

まず日本警察犬協会が指定している、警察犬になれる犬ですが、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ド―ベルマン、エアデール・テリア、コリー、ボクサー、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーの計7種類です。
しかし、指定犬種以外でもミニチュア・シュナウザーやロングコートチワワなどの小型犬も警察犬として登録されているものがいます。

警察犬になるになるために、訓練する犬が決まったら、まず人になれるようにしつけをしていきます。
人と一緒に働きますから、人に懐いてくれないと試験や訓練どころではありません。
飼い主の言うことを聞くようにする、というのは警察犬でなくても基本的なものでしょう。

しつけが終わったら「服従訓練」、「足跡追及訓練」、「臭気選別訓練」と順番に訓練を行い、「警戒訓練」まで終えてようやく上級検定というものを受けることが出来ます。
上級検定を受けて初めて、警察犬として認められるのです。これは警察が警察犬を育てた場合になりますが、一般の犬が警察犬として登録しようと思った場合、いくつもある訓練試験を受けてその試験を突破する必要があるようです。

大活躍してくれている警察犬たち

警察犬の仕事は犯人の臭いを見つけて追いかける「足跡追及活動」、臭いをかぎ分け犯人を特定する「臭気選別活動」、行方不明者や遺留品を探す「捜索活動」の3つが主になっています。
特に捜索活動をしている警察犬は、テレビなどでよく見るのではないでしょうか。

自然災害で行方不明になった人を探す場合もそうですが、もっと身近なところでも活躍してくれています。
例えば子供が行方不明になったと言った場合です。
親子喧嘩の末、子供が家を出て帰ってこなくなった場合にも、警察犬は活躍してくれます。

行方不明になった子供の靴の臭いから、わずか30分で子供を見つけ出したという例もあるほどです。

高度な訓練を受けた警察犬のすごさ

より高度な訓練を受けた警察犬の場合、犬とは思えないほどの能力を発揮します。
例えば要人守護の場合には、頭を撫でた人を守るべき人だと認識して守ってくれるのだそうです。
例えその後別の人に頭を撫でられたとしても、守るべき人はしっかりと認識しています。

この能力の高さから、オリンピックに向けても高度な訓練を受けさせているようです。

とても優秀な警察犬

今回の話で警察犬について、少しでも理解が深まってもらえたらうれしい限りです。