犬イボは良性

犬は全身に毛が覆われているため、なかなか気づかない飼い主もいるかもしれません。
ですが犬にも人間と同じようにイボが出来る事を知っていますか?
犬のイボの特徴とイボが出来る原因や治療法など、犬のイボの対処法について色々と紹介していきます。

犬にもイボができる?

犬を飼った事がない人は、犬にもイボが出来ると聞くと驚くかもしれません。
ですが全身が毛に覆われているため気づきにくいですが、犬の皮膚にイボが出来る事は珍しい事ではありません。

では良性のイボであれば、そのまま放置しても大丈夫なのでしょうか?
何が原因でイボが出来てしまうのか、そして治療法や予防法など、犬のイボに関して疑問点とその回答をまとめてみました。

犬のイボの定義と特徴

イボの定義は、皮膚乳頭腫と呼ばれる良性の腫瘍の事ですが、良性の腫瘍と皮脂腺腫を見た目で区別する事が出来ないため、皮膚に出来た突起物という広い意味で捉えても問題ありません。
ただし良性だから大丈夫と放置していると、一見イボのように見えてがんなどの悪性の腫瘍の場合もあるので、動物病院で診療を受ける事をお勧めします。

イボの特徴は、大きさは1cm未満で、色は肌色よりのピンク色をしています。
犬種の毛の色によって、イボの色が変わるという事はないため、黒い犬の方がイボが目立ちやすいと言えます。
イボの硬さは、それほど硬くなる事はなく弾力があります。

イボはシニア犬の方が出来やすく、シニア犬の場合は悪性腫瘍の可能性もあるので放置せずに、必ず動物病院で診察を受けるようにして下さい。
あと若い犬でもイボが出来る可能性はありますが、若い犬の場合は口の中に出来やすいので注意が必要です。
口の中だと見えにくいですが、痛みでエサを食べにくそうにするため、愛犬の食欲が落ちた場合は口の中にイボが出来ていないかチェックしましょう。

犬種によっても、皮膚の状態が異なるため、イボが出来やすい犬種がいます。
シーズーやラブラドルレトリバー、コッカースパニエルなどは、イボが出来やすいため飼い主は特に注意しておいて下さい。
毛が長い犬は特に毛でイボが隠れて見えにくいので、愛犬とコミュニケーションを図るために、身体を触る機会を増やして下さい。

イボがあれば感触で気づく事が出来るので、早期発見につながるでしょう。

犬にイボができてしまう原因

そもそもイボはなぜ出来てしまうのでしょうか?
実は若い犬とシニア犬では、イボが出来る原因が異なっています。

若い犬の場合は、パピローマウイルスと呼ばれるウイルスが原因です。
そのため子犬の時にイボが出来ても、成犬になれば免疫力がアップするので、自然と消えるケースが大半です。

シニア犬の場合は、ウイルスではなく皮膚乳頭腫に該当するケースが多く、無害なので治療の必要がありません。
ただし犬によってはイボを掻いたり噛んだりして、出血してしまう事があります。
そうすると傷口からバイ菌が入り、化膿して症状が悪化する恐れがあります。

そのため無害なイボでも外科手術を行った方がいい場合もあるので、動物病院で相談する事をお勧めします。
先ほども少し言いましたが、シニア犬の場合は良性の腫瘍ではなく、悪性の腫瘍の場合もあります。

悪性の腫瘍の特徴としては、腫瘍が短期間で急に大きくなる、腫瘍がドーム状で腫瘤のようにも見える。
皮膚の下までつながっている場合は、肥満細胞腫、扁平上皮癌、皮脂腺癌、繊維肉腫の恐れがあります。
放置すると、死に至るケースもあるため、愛犬に出来たイボが良性なのか悪性なのか自己判断せずに、まずは獣医にきちんと見てもらって下さい。

そして悪性腫瘍の場合は、適切な外科手術が必要となります。

イボができる部位について

イボができる部位は、特に特定されていません。
顔や背中、手足など、イボは皮膚があればどこにでも出来る可能性があるからです。
そしてイボが1つ出来ると、その後イボがいくつも出来る可能性が高いので、イボの数が少ないうちに対処して下さい。

犬イボの治療方法

犬のイボは良性の場合は、特に治療を行う必要はありません。
良性でもイボがあると気になるという飼い主もいるかもしれませんが、薬物治療はあまり効果がありません。
そのため良性でも外科手術で切除する事になるので、治療が必要かどうか獣医と相談して下さい。

ただし、悪性の場合は死に至る可能性があるため、早急に治療が必要となります。
イボを切除する方法は、レーザーによる焼き取り、凍結療法、メスやハサミを使って切除するなどの方法があります。
小さなイボであれば、局所麻酔で切除する事もありますが、大きなイボになると全身麻酔を行います。

愛犬のイボは予防できるのか

イボの原因が分かったところで、イボを予防したいと思ったらどうすればいいのでしょうか?
原則的にはウイルスが原因の場合は、どのように体内に入るのか不明なので予防が難しいと言えます。
なので栄養バランスや適度な運動をさせて、愛犬の免疫力をアップさせるしかありません。

またイボが出来た時に、掻きむしってしまったり、イボを潰してしまうと周囲にイボが広がり増えてしまいます。
そのためイボが増えないように、出来るだけイボには触れないようにしましょう。

そしてシニア犬の場合は、加齢に伴う免疫低下なので、免疫力アップを自力で行う事は難しいのが現状です。
なのでシニア犬の場合は、免疫力アップの効果があるサプリメントを与える事でイボの予防につながります。

犬イボ まとめ

犬のイボに関しては、予防策があまりなく神経質になりすぎるのはよくありません。
イボの大半は良性の腫瘍なので、治療の必要もありません。
ただ飼い主が勝手にこのイボは良性だから問題ないと決めつけて、放置する事は危険です。

やはり素人では良性のイボと悪性のイボを正確に見抜くのは難しいと言えます。
なので愛犬の皮膚にイボが出来たら、まずは獣医の診察を受けて良性のイボなのかどうか判断してもらう事が重要です。
あと良性でも悪性でもイボが増えないように、早期発見が理想です。

早期発見のためには普段から愛犬の様子をよく見て異変に気付く事と、愛犬とスキンシップで身体を触る機会を増やすようにして下さい。