犬の寿命は、犬種にもよりますが、だいたい10~15歳程度であると言われています。
歳のとり方が人より早いのはこれだけでもわかりますが、実は同じ犬の間でも、犬種や体の大きさによって歳をとっていくスピードに違いがあります。
ここでは、犬の歳のとり方や、長寿ワンちゃんのギネス記録など、犬の寿命について取り上げていきます。
目次
犬は体の大きさで歳をとるスピードが変わってくる
1.大型犬は、小型犬に比べて寿命が短い
まず、犬の大きさによって違うと言われる、それぞれの平均寿命について見てみましょう。
【小型犬】
平均寿命:14~15歳(老化は10歳前後~)
【中型犬】
平均寿命:13~14歳(老化は9歳前後~)
【大型犬】
平均寿命:10~12歳(老化は7歳前後~)
【超大型犬】
平均寿命:7~10歳(老化は6歳前後~)
このように、体が大きい犬種になるほど寿命が短いという傾向にあります。
まず小型犬・中型犬辺りの寿命が長い傾向にあるのは、基本的に室内飼いであることが多く、季節の寒暖差など厳しい環境を受けにくい、快適な生活を送っていることが関係していると考えられています。
一方で大型犬は、体の大きさに対して心臓や肺などの働きが弱く、体内の酸素の巡りが充分に行き渡らないため酸欠状態が続きやすく、そのぶん細胞の老化スピードにも影響が出て、病気の発症率も高くなりがちです。
また、体が大きいと足腰への負担も大きく、年老いてくると寝たきりになりやすいなどのリスクが伴いやすい状態にあります。
【愛犬長生きの秘訣】
- 予防接種
- 避妊・去勢手術
- 主治医を探しておこう
予防接種は、病気へのリスクを減らすための対策でもあります。
また、狂犬病の予防接種は法律で義務付けられています。ワンちゃんの体調に問題がなければ、必ず接種するようにしましょう。
これについては、飼い主さんの考え方次第なところもありますが、犬の発情によるダメージを回避するには、避妊・去勢手術が必要になります。
また、生殖器関連の病気へのリスクも減らせます。
いざという時に慌てて動物病院を探しているようなことがあっては、最悪の場合、手遅れになってしまうこともあります。
ワンちゃんをお迎えしたら、すぐに信頼できる獣医師を見つけておき、定期的な健康診断も欠かさないようにしましょう。
犬の年齢を人間の歳で換算してみよう
「犬の年齢って、人間で言うと何歳?」
「うちの子、人間の年齢にすると今何歳なんだろう?」
ワンちゃんをお迎えすると、ふと考えることではないでしょうか。
- 犬の年齢が出せる計算式がある
- 犬の年齢換算表(小型~大型犬)
せっかくですから、愛犬の年齢が今何歳なのかを計算してみましょう。
犬種によって多少の違いはありますが、だいたいの年齢を出せる計算式があります。
【小型犬・中型犬】
まず、「生まれてから2年」で、人間の年齢換算で「24歳」ほどになります。
3年目以降からは、1年ごとに「4歳ずつ」歳をとっていきます。
このことから計算式は、
24歳+(犬の年齢-2年)×4
となります。
例)5歳のワンちゃんの場合、
24+(5-2)×4=36
で、人間の年齢では「36歳」となります。
【大型犬】
大型犬は、ほかの犬種と成長スピードが違います。
まず、「生まれてから1年」で、人間の年齢換算で「12歳」になります。
2年目以降は、1年ごとに「7歳ずつ」歳をとっていきます。
ここから出来上がる計算式は、
12歳+(犬の年齢-1年)×7
となります。
例)5歳のワンちゃんの場合
12+(5-1)×7=40
で、人間の年齢では「40歳」となります。
※表は、「犬の年齢:人間換算の年齢」で記しています。
【小型犬・中型犬の人間換算年齢表】
犬の年齢 | 人間換算の年齢 |
1歳 | 15歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
5歳 | 36歳 |
7歳 | 44歳 |
10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 |
15歳 | 76歳 |
【大型犬の人間換算年齢表】
犬の年齢 | 人間換算の年齢 |
1歳 | 12歳 |
2歳 | 19歳 |
3歳 | 26歳 |
5歳 | 40歳 |
7歳 | 54歳 |
10歳 | 75歳 |
12歳 | 89歳 |
15歳 | 110歳 |
ギネス公認!長寿犬たちをご紹介
さて、ワンちゃんの平均寿命や歳のとり方について取り上げてきたところですが、もちろんそれを超えて長生きし、ギネスに記録を残した長寿犬もいます。
【長寿犬ギネス記録】
1位 Bluey【29歳160日】オーストラリアン・キャトル・ドッグ《オーストラリア》
2位 Butch【28歳0日】ビーグル《アメリカ合衆国》
3位 Taffy【27歳317日】ウェルシュ・コリー《イギリス》
4位 Bramble【27歳211日)ボーダー・コリー《イギリス》
5位 Adjutant【27歳98日】ラブラドールレトリーバー《イギリス》
6位 Buksi【27歳】ミックス《ハンガリー》
7位 Pusuke【6歳248日】柴犬ミックス《日本》
8位 Sugar【24歳360日)不明《アメリカ合衆国》
9位 Piccolo【23歳86日】ミックス《イタリア》
10位 Chanel【21歳114日】ダックスフント《アメリカ合衆国》
※Wikipedia参照(2018年4月現在)
1位のBluey(ブルーイー)は、なんと29歳!
1910年6月7日に生まれ、1939年11月14日に亡くなった、オーストラリアの牧畜犬です。世界一の長寿犬としてギネスブックに登録されています。
ブルーイーが亡くなってから80年近く経っていますが、未だこの長寿記録を破られていないことには驚きです。
また、7位のPusuke(プースケ)は、日本のワンちゃんです。
2010年12月には、世界最長寿の存命犬となりました。
1985年3月1日に生まれ、栃木県さくら市の家庭で育ち、2011年12月5日に、26歳で亡くなりました。
【番外編】マギー(推定30歳)オーストラリアン・ケルピー《オーストラリア》
実は、ギネス1位のブルーイーより長生きしたと考えられている長寿犬がいます。
ブライアン・マクラーレン氏に飼われていた「マギー」、30歳です。
残念ながら出生の書類がないために、ギネスに記録されることはなかったのですが、マギーは、当時34歳のマクラーレン氏の息子さんが4歳の時に迎えられたため、計算では30歳ということになるとのこと。
そんな長寿犬マギーは、2016年4月17日にオーストラリアの自宅にて、その生涯を終えました。
良い環境の中で末永く……
いかがでしたでしょうか。
犬は、人の歴史と深く関わってきた動物であり、興味のつきない部分は多々あります。
それがかわいい愛犬であれば尚更、飼い主として幸せにしてあげたい、長生きさせてあげたいと思う気持ちは強いことでしょう。
ぜひ、愛情をたっぷり注いで、良い環境の中で末永く慈しんであげてください。