愛犬に子犬を産ませたいという飼い主も多いのではないでしょうか。確かに子犬はとても可愛いものです。産ませるためには適切なタイミングと環境が必要です。正しい知識を身につけるようにしましょう。また、生まれてきた子犬たちに対してもきちんと責任を取るようにしてください。
交配をさせるタイミング
発情したメス犬の臭いに反応して、オス犬も発情し、交尾をしようとします。メス犬の発情期はおよそ90日で起こります。生理の出血量が少なくなり、発情期に入って2~3日後の排卵日のタイミングが最も適切とされています。排卵後の5日間が妊娠可能期間です。
交配させる場合、メスの年齢には注意をしましょう。1歳半~6歳までのメスであれば、妊娠させても大丈夫です。年齢が若すぎると栄養を赤ちゃんに取られてしまい、お母さん犬が成長できません。歳をとり過ぎていると十分な筋力がないため、難産になってしまいます。
オス犬が大きい場合も難産になる可能性があります。お腹の赤ちゃんがお母さんの体に対して大きくなりすぎてしまうためです。交配させる相手のオスは、メスよりも小柄な犬にしてあげましょう。
妊娠の兆候
交配したからといって必ず妊娠するわけではありません。交配後21日間は受精卵が着床するかどうかを決める大切な期間です。この期間には過度な運動やシャンプーは避けてあげましょう。
また、妊娠している場合、人間と同じようにつわりのような症状を見せることがあります。食欲がなくなる、味覚が変わる、嘔吐するといった兆候が見られます。およそ1週間ほどで収まると言われています。
妊娠中期に差し掛かると体重が増え始めます。頻繁にチェックしてあげるようにしましょう。
呼吸がいつもよりも荒くなったり、体温が低下したり、排尿・排便が多くなったらいよいよ出産が近くなっています。交配から60日が経つ頃にはしっかりとお母さん犬のことを観察してあげてください。
犬が妊娠したらするべき準備
妊娠後期(交配から42日後)に入ったら営巣行動が盛んになり落ち着きがなくなります。お母さん犬が安心して出産できるよう産箱を用意してあげましょう。
犬の本能として、外敵に見つかりにくい遮蔽された空間を求めます。そのような箱を作ってあげてください。板やダンボールなどで構わないので、周りから見えないような箱を作ってあげます。
出入り口には子犬が飛び出さないように低い仕切りを付けてあげましょう。近くには普段から自分の臭いのついたものを置いてあげます。その方がお母さん犬は落ち着いて出産できるためです。
箱の中には新聞紙やクッションなどを敷き詰めてあげてください。寒い時期にはペット用のホットカーペットを利用してもいいかもしれません。
犬の出産は動物病院と自宅のどちらが適切か
自宅で出産させることも可能ですが、動物病院の方が臨機応変に対応することができます。先生の意見などを聞いて対応するようにしましょう。
初産には心配すべきことがつきものです。また、難産になることが予想されるのであれば動物病院の方がいいかもしれません。
動物病院は緊急時に時間外でも対応してくれるかどうかをチェックしましょう。病院と先生の自宅が別々である場合、先生の到着までどれくらいかかるかどうかも聞いておいた方がいいかもしれません。
無責任に繁殖させない
「子犬が見たいから」という安易な理由で交配させて子犬を作らせるのは絶対にやめましょう。子犬を育てるか、きちんと里親を見つける覚悟が必要です。
毎年無責任な飼い主によって生まれてしまったたくさんの子犬たちが殺処分されています。不幸な子犬を増やさないためにも、責任を持って産ませるようにしましょう。
里親は知り合いや新聞、インターネットなどで探すことができます。子犬を産ませる場合にはどのようにして里親を探すかも調べておきましょう。
犬を交配させるためには適切な知識が必要です。きちんと調べ、動物病院などでも確認してみましょう。また産ませるからには、生まれてきた子犬たちに対しても責任を果たしましょう。